株のインカムゲインである配当金は、企業の業績によって、定期的に投資家に配られます。
形式上それぞれの株には利回りが設定されていますが、この利回りは常時変動します。
業績が悪化している場合、配当金が配られないこともあります。
注意しましょう。
利回りはSBI証券などのネット証券や、ヤフーファイナンスで確認できます。
たとえば配当50円の株を1000もっているなら、配当金は5万円です。
配当金は決算があるたびに支払われます。
決算の多くは毎年1回、2回です。
株価に対して配当金が何%かを示す「配当利回り」という年利の数字が、ひとつの基準になります。
配当利回り(%)=1株の配当(円)÷株価(円)×100(%) |
株価1000円の銘柄で1株あたりの配当が50円だとすれば、以下のようになります。
配当利回り(%)=50(円)÷1000(円)×100(%)=5%
配当利回りが5%の場合、1000株(100万円分)購入していれば、年に5万円の配当となります。
(決算が年に2回ある場合は2万5000円ずつです)
基本的に配当利回りは2%~6%のものが多く、年利0.02%の銀行普通預金、年利0.5%の銀行定期預金よりも、圧倒的に得となります。
ただし株は預金商品と比べると変動リスクが大きいため、配当利回りは乱高下する可能性があります。
個別に好みの銘柄があるわけでなく、単純に安定的な利回りで資産運用したいという人には、個別に株式を買うよりも、投資信託を買うほうがオススメになっていきます。
配当金をもらう条件は、銀行預金のように株を毎日持っていることではなく、株を「権利付き最終日」に持っていることです。
逆を言えば、この1日さえ株を持っていれば、1年分の配当金がまるまるもらえます。
勘違いしやすい点ですので、注意しましょう。
ただし権利付き最終日は、年間の決算回数と同じ日数が設定されます。
なので配当金が年に2回もらえる場合は、権利付き最終日も年に2日あることになり、1日だけ株を保有しても、1年間の半分の配当金しかもらうことができません。
権利付き最終日については、以下の記事でとりあつかっています。
● 権利付き最終日
必ずしも配当金が高い株は良い株、というわけではありません。
たしかに配当金の高い株は人気で、株価上昇のきっかけになりますが、他にも様々なファンダメンタルズ分析をほどこす必要があります。
そもそも配当金というのは、企業にとって他に使い道のないお金であってしかるべきです。
成長期にある企業は特にそうですが、企業は事業拡大のため、あらゆるものにお金を使います。
企業としてすでに事業が成功していて、お金がたくさんある。
しかし他にお金の使い道がない。
なのでさらに株価をあげたり、投資家をつのる目的で「配当金に投資する」という感覚で、私達投資家たちにお金を還元していく。
こうした形なら筋もとおっているし、私達投資家としても納得できます。
私達が投資に手をだす理由のひとつとして、デフレ・円高社会における銀行口座へのお金の死蔵が非効率的だから、というのがあります。
投資をすれば、利回りがよくなる。
会社も同じです。
事業が成功してお金があまり、他にお金の使い道がなければ、そのお金を死蔵するのはもったいない。
そのお金をもっと効率的に使いたいと思います。
その手段のひとつが、自分たちの会社の株の配当金をふやすことです。
「お金の死蔵がもったいない」という理由においては、ちょうど私達が投資をする行為と、会社が配当金を増やす行為は似ています。
ようするに会社が配当金を私達投資家に還元するという行為は、会社の余裕資金でおこなうべき行為なわけです。
つまり逆を言えば、業績が悪くて、他にお金を使う余地があるにもかかわらず、配当金だけやたらと高くしている企業の株は、注意が必要ということになります。
これは私達一般人にあてはめて考えれば、しっかりした仕事についてないにもかかわらず、お金を使いまくっていて浪費の激しい状態のようなものです。
そんな会社に、はたして安心して投資ができるでしょうか?
配当金は、会社の総資産から捻出されます。
会社の総資産は単純に会社の価値そのものですから、配当金をだすぶん、その会社の価値自体はさがる、ということになります。
配当金の利回りばかりに目がくらんで、肝心の株価が無価値になったら、もともこもありません。
気をつけましょう。
また、配当金をもらうたびに、税金がかかってくることにも注意します。
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