PBRとは株価純資産倍率のことです。
<PBRの算出法>
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PBRは、株価を純資産(株主資本)で割った数字です。
ですので株価があがればPBRも比例してあがりますし、逆に純資産があがればPBRは反比例してさがります。
たとえば純資産が500億円あり、発行株式数が2500万株あるのなら、1株あたりの純資産(BPS)は2000円。株価が3000円ならPBRは1.5倍です。
参考までに東証一部の全銘柄の平均PBRは、2014年1月時点で1.5倍前後です。
ちょうどPERの純利益を、純資産に変えたものがそのままPBRです。
PERが収益力を判断する指標なら、PBRは資産や財務の状況を判断する指標です。
PBRはPERと比べると、さほど重要となる株価指標ではありません。
単独で使用することもほぼなく、他の指標とくみあわせて使います。
たとえば財務諸表を分析してみて業績が良いにもかかわらず、PERが5倍以下で、なおかつPBRが1倍以下という場合、その株はほぼバリュー株と言えます。
下支えになり、それ以上株価がさがることは考えにくいです。
PBRは、会社が倒産したさい、株主に還元されるお金をあらわす指標としても使われます。
<株価1000円の会社倒産時に還元されるお金>
PBR | 還元金 |
---|---|
2倍 | 500円 |
1倍 | 1000円 |
0.5倍 | 2000円 |
このようにPBRの倍率がさがれば、会社が倒産したときにもらえるお金はふえることになります。
特にPBR1倍という数字が基準となっていて、1倍以下なら株価以上の還元金が期待できるわけです。
こうした事情から、PBR1倍以下の株は割安、ということがよく言われます。
とはいえ、実際はやはりそんなに単純ではありません。
会社があらゆる施設を放棄して売却にかかるとき、余計な費用がかかるかもしれませんし、他社の債務保証をしているなどのマイナス面があれば、会社の資産はどんどんさがります。
ですので、会社倒産を前提にしたPBRの活用は、特に気にしなくていいでしょう。
いわゆるブルベア型ファンド・信用取引・FXといった、売りポジションの作れる証拠金取引なら話は別ですが、そもそも倒産を前提にしてお金を得る、という発想自体が、投資の本懐からははずれています。
蛇足となりますが、PBRがこうして倒産前提の使われかたをしばしばされるのは、資産という概念が曖昧であることも、一枚かんでいます。
資本金・法定準備金・剰余金はもちろんですが、その他不動産や仕掛品など、お金の形をとっていない資産も含めて、すべてその会社の資産と言えます。
そうしたものの価値を決めるには、厳密な鑑定・評価が必要です。
なので、計上が非常に難しい。
つまり会社全体の資産価値が具体的にどんなふうになっているのかを把握することは、不可能なわけです。
結局のところ、資産価値がはっきりとわかってくるのは、会社が完全に生産活動を終了(倒産)して、あらゆる資産が現金にたばねられたときにかぎられる。
だから資産の指標であるPBRは、倒産時を前提に使われるわけです。
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