このページでは、FXの投資対象となる通貨の特徴、しいてはその国の特徴を、簡単にまとめています。
目次
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基軸通貨と呼ばれており、現状、世界最強の通貨です。
FXや外貨預金で投資をするなら、まず米ドルを考えないことにはなにもはじまりません。
どの通貨と比べても取引量がもっとも多いため、手数料が安く換金性に優れ、初心者にはオススメです。
検索エンジンのグーグル・ヤフー、携帯パソコンのアップル、SNSのフェイスブック・ツイッター、通販のアマゾン、投資信託はバンガード・フィデリティなど、アメリカはあらゆる大企業に支えられた潤沢な経済力があるため、地盤がどの国よりもしっかりしています。
なのでどんなことがあっても、その国の通貨もまた廃れることはない、というのが通説です。
過去、911テロやリーマンショックで落ち込みがありましたが、後に修正。
2013年でも米ドルのデフォルト危機がありましたが、結局のところ回避しています。
FRB・FOMCによる金利変動や米国財務省の発表によっても、しばしばドル高ドル安の推移があります。
やや、統計に敏感です。
アメリカのGDP(国内総生産)はおよそ15兆ドル。
失業率は7%。
世界第2位の通貨で、GDPだけを見れば、米ドルの規模をすでに超えている通貨です。
米ドルの次に換金性に優れており、米ドル同様、FX初心者にオススメの通貨です。
ユーロはEUに参加している国でのみ使えます。
フランス・ドイツ・スペイン・イタリア・オランダなどの西欧を中心とし、東北はフィンランドから東南はギリシャまで、幅広い地域で使えます。
逆に例外として、イギリスやスイスでは使えないことに注意します。
複数の国によって形成された通貨なので、総合的な勢い自体は米ドルに勝っていますが、誕生したのが1999年と最近であることや、西欧・東欧の経済格差をふまえると、まだ地盤が安定しないのがデメリットです。
実際2010年の欧州ソブリン危機では、ギリシャの粉飾決算が原因で、連鎖的にユーロ使用国で経済危機が発生しています。
ユーロを買う場合は、こうした政治的リスクに注意します。
複数の国で使える通貨というのは前例がありませんので、「実際に使ってみるとどうなるのか?」ということがわかる、実験的な通貨でもあります。
今後世界で共通の通貨を作ることがあれば、ユーロの発展経緯は貴重なデータとなるでしょう。
ユーロはしばしば、米ドルの避難通貨にも使われます。
よって、米ドルが安くなればユーロが高くなる可能性は高いです。
EU全体のGDPはおよそ16兆ドル。
米ドルに次ぐ通貨で、その勢いはユーロに並びます。
世界で中心となっているアルファベット圏の国々から完全に独立しながらも、独自の安定性を構築しており、なんだかんだとそのブランド性は不動のものです。
投資価値のある通貨かどうかを検討してみると、国債が掛け値なしに多い、震災リスクがある、低金利につきスワップポイントを支払う必要がある等、デメリットも山ほどありますが、そのぶんメリットにも恵まれています。
まず日本円の価値を支えるのは中央銀行、もっと本質的に言ってしまえば、国民の大量の預貯金です。
普通他国の人々はお金を預貯金ではなく投資に使いますが、日本人はお金を投資に使いたがりませんし、そもそも日本の投資の手段は他国と比べると、かなりかぎられています。
「預貯金は安定している」という固定観念から、超低金利でありながらも日本人のお金は投資よりも預貯金へと流れ、それらの預貯金が国債に使われ、円の安定性を維持している、という構造です。
このことは下記の記事でもふれています。
● なぜ日本はデフォルトしないのか? | 日本の借金と銀行預金主義
よく言えば日本人は堅実、悪く言えば他国にいいように使われている、と言うこともできます。
日本人の堅実性が、日本円の価値をより保証します。
なので過去リーマンショック時には、日本円は他国から最上級の避難通貨と見なされ、円高(不景気)になっているわけです。
日本円は現在のところは安定性を保っており、通貨のデフォルトにもなりませんが、今後はもう下火であることは、疑う余地がありません。
少子高齢化社会で国民全体のGDP・預貯金は減少していきますし、投資の手段・知識が啓蒙的に日本国民に広まれば、さらに預貯金の減少は加速します。
そうなれば国債の膨れた日本円も、いよいよデフォルトの危機が発生してくる、ということは覚悟しておくべきでしょう。
手遅れになるまえに日本人は徐々に分散投資をしていき、日本円のブランドに頼らず「自分の資産は自分で守る」という意識を身につけていくべきです。
日本のGDPはおよそ5兆ドル。
失業率は4%です。
戦前の基軸通貨で、現在の立ち位置は、米ドル・ユーロ・日本円の次に勢いのある、第四位の通貨、といった感じです。
やや金利が高いので、そういう意味では長期投資にむきますが、為替変動の予測が難しく、またその変動も大きいため、FX初心者にはむかない通貨です。
基本的に、デイトレードにむく通貨と言えます。
EUに参加しないことでソブリンショックの影響をそこまでうけることもなく、イギリスの経済自体は非常によくたちまわっています。
石炭や天然ガス、原油の埋蔵があるため、エネルギーには事欠かなく、特に原油価格の変動によって、レートが変動することも多いです。
イギリスのGDPはおよそ2兆ドル。
失業率は5%。
豪ドルは金利が高いため、FXや外貨預金ではもはや長期運用の代名詞です。
スワップポイントによる利益を見込めます。
金利が高いにも関わらず政情が安定していることから、初心者にもむきます。
基本FX初心者が長期運用するなら、まずはこの豪ドルを考えます。
資源国であるため、純金や原油の価格によって価値が変わります。
取引量が少なく、機関投資家やヘッジファンドによる介入もあるため、レートが乱高下することもあります。
なので、デイトレードをする人は注意が必要です。
ニュージーランドドル(NZD)も基本的に豪ドルと似た動きをする、政情安定の高金利通貨ですが、以下の点に注意します。
資源よりはキウイなどの農業がさかん
震災リスクがある
スイスはイギリスと同じく、ヨーロッパでユーロを使わない国のひとつです。
その国の通貨であるスイスフランは、アメリカドル、ユーロ、日本円、イギリスポンドの4つに並び、ハードカレンシー(国際決済通貨)として扱われる、重要度の高い通貨です。
もっぱら世界最強の避難通貨として認識されています。
金利は基本ゼロで、日本を上回る低金利です。
スイスは永世中立国であるため、どこかで戦争がおきても、中立の不干渉であることを宣言しています。
そのため有事のさいには安全と見なされ、避難通貨として買われます。
その安全性は、純金や不動産といったオルタナティブ投資レベルのものです。
ただし金利がほとんどないので、長期投資でインカムゲインを得ることができないのが難点です。
性質上、しばしば最強の安全資産である純金の相場と連動します。
また、ややユーロと似た動きをします。
南アランドは豪ドルよりも高金利となります。
南アフリカ共和国自体の政情は安定していますが、周辺国家の政情がやや不安定であるため、長期投資する場合はハイリスクハイリターンで、地政学的リスクを覚悟する必要があります。
南アフリカ共和国はいわゆるBRICsの一国なので、新興国に分類されます。
金やダイヤモンドなどの鉱物資源に恵まれており、しばしば南アランドもこれらの鉱物資源の相場と連動します。
流動性にやや問題がありますので、レバレッジは低めに設定するのがオススメです。
加ドルは流通量が少ないですが、政情が安定してるわりに、少々金利が高く設定されています。
価値の変遷は性質上、隣国であるアメリカの景気の影響をうけやすいです。
カナダはオーストラリア同様、石油などの資源に恵まれています。
国名 | 名目GDP |
---|---|
世界全体 | 74兆1717億ドル |
欧州連合 | 17兆2277億ドル |
(第1位)アメリカ合衆国 | 16兆2377億ドル |
(第2位)中華人民共和国 | 9兆203億ドル |
(第3位)日本 | 6兆1499億ドル |
(第4位)ドイツ | 3兆5980億ドル |
(第5位)フランス | 2兆7393億ドル |
(第6位)ブラジル | 2兆4567億ドル |
(第7位)イギリス | 2兆4229億ドル |
(第8位)ロシア | 2兆2136億ドル |
(第9位)イタリア | 2兆760億ドル |
(第10位)インド | 1兆9728億ドル |
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