スワップポイント(スワップ金利)とは、FXの利息(利子・金利)です。
たとえば米ドルを買う場合、米ドルの金利が0.25%、日本円の金利が0.1%とすれば、その金利差の0.15%分(年利)が、スワップポイントの利益としてもらえます。
逆にカラ売りで、米ドルで日本円を買って売りポジションを成立させると、0.15%分のスワップポイントを支払う必要があります。
日本は先進国の中でも低金利国として有名で、通常の買いポジションであれば、スワップポイントを支払う機会はほとんどありません。
しかしそのぶん売りポジションを成立させると、まったく逆となり、スワップポイントを支払う必要がでてくるので注意しましょう。
スワップポイントの付与・回収は、自分の証拠金残高、あるいはポジションにそのまま増加・減少の形で反映されます。
他の投資法では利子がつくのは定期ですが、FXではスワップ金利が、毎日反映されます。
金利が付与・回収される時間帯はFX業者によって異なりますが、基本は日本時間の午前6時、または午前7時です。
午前6時はサマータイム中のニューヨーク市場のクローズ時間、午前7時は通常時のニューヨーク市場のクローズ時間です。
FXはNY市場を基準にオーバーナイト(日付変更)しますので、そのときに建玉(買いポジション・売りポジション)をロールオーバー(持ち越し)すれば、スワップ金利が確定するわけです。
たとえば朝8時に豪ドルの買いポジションを獲得、翌朝の5時に決済、という形ではスワップポイントはもらえません。
また逆に、サマータイム時の午前5時に豪ドルの買いポジション獲得、2時間後の午前7時に決済、という形であればスワップポイントが確定します。
また、スワップ金利が確定しても、実際に付与・回収されるのは2営業日後の受渡日です。
たとえば水曜の朝に確定したスワップポイントは金曜の朝に付与・回収。
木曜の朝に確定したものは、土日をはさんで月曜の朝に付与・回収。
非営業日である土日分のスワップは、先行して木曜の朝に付与・回収されます。
俗に木曜(アメリカ時間を軸とした実際の損益表示では水曜)は、スワップ3倍デーと呼ばれていますが、土日分を調整しているだけなので、条件は同じです。
水曜から木曜の朝にロールオーバーした際のポジションを基準にして3倍になりますので、それを狙って通貨を買う人もいます。
ですのでロールオーバー後は、だいたい為替レートがさがります。
また日米どちらかの金曜日に祝日がある場合は、基準のポジションは水曜日の朝になります。
この場合は金曜分も含めるため、スワップ金利が4倍です。
祝日が国ごとに異なる等の関係で、スワップポイントの確定や付与・回収のタイミングは、変則的になることもあります。
なので細かい部分については、FX取引業者のスワップポイントカレンダーで確認しましょう。
とはいえ、結果的には公平に付与・回収されるようになっていますので、長期投資をする場合は、そこまで気にすることではありません。
ロールオーバーすることが基本なため、スワップポイントを狙うのは、長期投資をしている人向けです。
たとえばオーストラリア(豪州)の金利が3%、日本の金利が0.1%なら、2.9%が豪日の金利差となります。
たとえば為替レートが1豪ドル=90円でずっと1年間固定されるとして、90万円の取引(レバレッジをかけても可)で1万豪ドルを買ったとします。
2.9%=0.029 0.029×90(円)×1万(通貨)=2万6100円 |
1年間で得られるスワップポイントは2万6100円となります。
なので、それを365日で割ります。
2万6100(円)÷365(日)=72円 |
1日でおよそ72円のスワップ金利の利息がつく、ということになります。
(90万円を預金して1年に2万6100円の利子がもらえるというのは、現在の日本の預金からは考えられないことです)
逆に同じ取引額のカラ売りで、豪ドルで日本円を買ってしまうと、毎日72円ずつ証拠金残高から支払うことになりますので、注意しましょう。
普通金利というのは年利であり、「1年でもらえる利子」を基準にして計算されます。
なのでFXのように「1日にもらえる・支払う利子」を正確にだしたい場合は、365で割ることを忘れないようにしましょう。
なお、スワップポイントは1万通貨ごとの表示になります。
たとえば米ドル預金で1日4円のスワップポイントがもらえる、ということなら、1万ドル通貨で1日4円付与、という意味です。
ですので1米ドル=100円として、1日4円もらいたいなら、100万円の運用が基準です。(レバレッジをかけた数字でも可)
また上述のスワップポイントはあくまで目安であり、実際にはスワップポイントは毎日変化します。
正確なスワップポイントは、それぞれのFX業者のスワップポイントカレンダーで確認します。
FX業者ごとにスワップポイントは異なります。
長期投資でスワップポイントをねらう場合は、FX業者のホームページで、自分が買う通貨ペアのスワップポイントの数値を、しっかり見ておきます。
スワップ金利はそのまま決済して証拠金残高に加算されるFX業者と、ポジションに追加して再投資の形をとれるFX業者があります。
長期投資をおこなっていく場合は、後者の再投資型がオススメです。
なので基本は、決済せずにスワップ金利をうけとれるFX業者を使いましょう。
スワップポイント狙いの人は大体長期投資になりますので、スプレッドが多少大きくなっても気にしないでOKです。
またFX業者にはそれぞれ、得意分野の通貨があります。
米ドルやユーロを買った場合のスワップポイントがマイナスだからといって、他の外貨もたいした数値ではないだろう、という発想はしないようにしましょう。
普通の銀行の金利が変わっていくように、スワップポイントもまた変わっていくことにも注意します。
現在全体的に買いポジションで高いスワップポイントを築いているのは、SBI FXトレード、YJFXの2つです。
● FXのスワップポイント比較表(参考)
現在高金利(高スワップ金利)の貨幣には、豪ドル、英ポンド、南アランドなどがあります。
しかしこれらの通貨は金利が高いかわりに、値動きがかなり激しいです。
初心者にはよくありがちなことですが、くれぐれも高金利の通貨だからといって、レバレッジを大きくかけないようにしましょう。
長期で運用する場合、為替レートがおおきく推移する可能性が、きわめて高いです。
特に高金利の国家というのは、新興国に多いです。
新興国の経済というのは安定していないことが多く、その国で通貨がでまわりすぎて、インフレ状態にあることが多いです。
結果、通貨の価値がゼロとなってしまうデフォルトの可能性もひそんでいます。
(実際にデフォルトとなった新興国にはアルゼンチンなどがあります)
外貨の価値がゼロになってしまったら、もう外貨を日本円にもどすことはできません。
また、2008年頃はリーマンショックの影響で、どの国も金利が大幅にさがっています。
当時は日本が安全と見なされ、どんどん外貨が日本円に変えられ、すさまじい円高となりました。
高金利として人気のある外貨・南アフリカランドも、11%あった金利がリーマンショック後には5%までさがり、ランド円の為替レートも、かなりさがっています。
10年間のチャートを見てみると、1ランド18円だったのが8円(およそ半分)までさがることもありました。
南アフリカランド、トルコリラ、ブラジルレアルなどといった新興国の通貨には、くれぐれもレバレッジを大きくかけすぎないようにしましょう。
スワップ金利目的でしたら、初心者へのオススメは豪ドルです。
オーストラリアは比較的高金利でありながらも、政情が非常に安定しており、カントリーリスクは低いと考えられます。
外貨預金のかわりとして長期でFXを使うのなら、ハードカレンシーである米ドルやユーロをあわせて、米ドル・ユーロ・豪ドルの3つを分散して33%ずつ保有しておけば、バランスが良いでしょう。
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