立会時間外(証券取引所の営業時間外)の注文は、すべて板寄せ方式と呼ばれるシステムが使用されます。
この板寄せ方式は、次回の取引開始時に営業時間外の注文を整理して、始値(最初の取引額)を算出するさいに使われます。
立会時間外での注文は、証券取引所が非営業なため株価が変化せず一定になっています。
なので注文時間順による取引優先はありません。
次回の始値を下回る売り、または上回る買いの指値注文も、成行注文同様にその始値の株価が適応されます。
次回取引開始時の始値は、売り注文の数と買い注文の数が均衡する水準をコンピューターが算出し、公平に設定されます。
板寄せ方式における株価(始値)決定のプロセスは、少々難しいです。
基本的にはいつもコンピューターが自動的に算出してくれますし、「取引時間外の注文はすべて、次回取引開始時には公平に設定された株価が適用される」ということさえ覚えておけば、以下の文章は読み流してしまっても構いません。
公平性について具体的に知りたい方のみ、以下をご覧ください。
始値は、営業時間外の売り注文の株数を安い順に、そして買い注文の株数を高い順に、成行注文を含めて数えていき、それぞれの累計株数が逆転する値が設定されます。
<板寄せ方式の板(例)>
売り累計 | 売り数量 | 値段 | 買い数量 | 買い累計 |
---|---|---|---|---|
成行 | 600 | 600 | ||
3200 | 500 | 602円 | 300 | 900(600+300) |
2700 | 1000 | 601円 | 200 | 1100(900+200) |
1700(1500+200) | 200 | 600円 | 1200 | 2300(1100+1200) |
1500(1000+500) | 500 | 599円 | 1000 | 3300 |
1000(400+600) | 600 | 598円 | 2000 | 5300 |
400 | 400 | 成行 |
このようにまず、営業時間外の注文を、売りなら下から数量をたしていき、買いなら上から数量をたしていきます。
この株の場合は、買い累計と売り累計の数量が逆転するのは600円と、601円のときです。
600円では売り累計(1700)より買い累計(2300)のほうが多く、601円では買い累計(1100)より売り累計(2700)のほうが多くなることに、注目してください。
なので取引開始時は601円が売りの最低額、600円が買いの最高額となり、このどちらかが始値となります。
あとは売り買いの成行注文の株数、始値より低い売値、高い買値の株数の数字を、それぞれ相殺していきます。
売り累計 | 売り数量 | 値段 | 買い数量 | 買い累計 |
---|---|---|---|---|
2700 | 1000 | 601円 | 200 | 1100 |
1700 | 200 | 600円 | 1200 | 2300 |
<指値601円以下の売り注文数と601円以上の買い注文数を相殺する場合>
売り数量 | 値段 | 買い数量 |
---|---|---|
1600(2700-1100) | 601円 | |
600円 | 1200 |
<指値600円以下の売り注文数と600円以上の買い注文数を相殺する場合>
売り数量 | 値段 | 買い数量 |
---|---|---|
1000 | 601円 | |
600円 | 600(2300-1700) |
最終的に取引開始時には、こうして営業時間と同様のザラバ方式の板表示へと修正されます。
以上がおおまかな始値決定のプロセスですが、実際にはもっと複雑な計算になります。
終値(営業時間内の最後の取引の株価)と次回営業時間の始値がちがうのは、こうした営業時間外における売り買いの予約注文と板寄せ方式の整理によって、変動があるためです。
■ 次ページ 株価が変化するルールについて知ろう
<関連ページ>
<ほったらかしで月収100万円を継続的に稼ぐ方法>