FXは証拠金取引なので、株式投資の信用取引のように、通常の投資とは異なるシステムをつかうことができます。
中でも特徴的なのは、カラ売りとレバレッジのふたつです。
証拠金取引によって、自分の持っていない資産やモノでも自分が持っていることにして、それを売ることができます。
これをカラ売りといいます。
FXでは具体的に言えば、米ドルで円を買うことができる、ということです。
実際に私達が米ドルを持っていなくても、あずけいれた円貨の量に比例して、私達は「米ドルを持っている」と見なされます。
なので「ドルで円を買う」ということができ、ドル円の為替レートがさがったときでも、利益をあげることができるのです。
普通に日本円で米ドルを買ってその状態を維持することを、買いポジション・ロングポジション(米ドルを買う)と言う一方で、この信用取引のカラ売りによって、米ドルで日本円を買い、その状態を維持することを、売りポジション・ショートポジション(米ドルを売る)と言います。
「USD/JPY」と書かれていれば、買いポジションでは円で米ドルを買いますが、売りポジションでは米ドルで円を買うことになるわけです。
<買いポジション>
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<売りポジション(空売り)>
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通常の投資では株価がさがったら損をするしかありませんが、こうした証拠金取引を前提とした信用取引やFXでは、株価や為替レートがさがっても、利益をあげることができるのです。
ただしFXでのカラ売りは日本円を買う側になりますので、金利的にはマイナスとなります。
売りポジションを持ちつづけると、スワップポイントを払いつづける必要がでてきますので、その点だけ注意します。
なお、この証拠金取引により、「米ドルでユーロを買う・ユーロで米ドルを買う」といったような、外貨で外貨を買う、ということもできます。
これを外貨クロス取引といいます。
レバレッジとは、あずけいれた実際の証拠金を、数倍にして取引できる仕組みのことです。
たとえば実際は証拠金が100万円しかなくても、レバレッジを10倍にすれば1000万円あると見なされ、それで取引をすることができます。
もっと具体的に言えば、たとえば1米ドル=100円の為替レートのときに、証拠金100万円でレバレッジを10倍にして、1000万円で10万米ドルを購入し、その買いポジションを継続して持ったとします。
やがて1米ドル=110円に為替レートがあがったときに、この10万米ドルを売却すれば、1100万円となり、100万円の利益が得られます。
このように100万円しかFX口座にあずけていなくても、レバレッジを使うことで実質上1000万円で取引をしたことになるわけです。
普通に取引しているぶんには10万円の利益しかもらえなかった所を、こうしてレバレッジをかけることで数倍の利益にふくらませることができます。
しっかり戦略をたてれば、レバレッジは投資において非常に有効な手段になるでしょう。
なぜこのようなシステムが生まれたのかと言うと、投資では、特定の金融商品を買ったあと、すぐにその価格が暴落する、ということはめったにありません。
また、ずっと元金100万円ぶんしか取引していなくても、ポートフォリオをうまく組んでいるから、自分が投資している資産の時価総額が100万円よりも減ることはないし、むしろ増えている。
投資ではそうした人が多いのも事実です。
そのような人なら実際の取引額を倍にしても、特に問題はないだろうということで、FXではこうしたレバレッジのシステムが導入されました。
ただしレバレッジを大きくかければ、当然損失時の被害も大きくなります。
あまりに少ない証拠金でレバレッジを大きくかけて取引すると、為替レートが少しさがっただけでも強制決済(ロスカット)となり、損しかしませんので、初心者はその点を注意します。
なお、FXと類似した株式投資の信用取引では、カラ売り・レバレッジを使う場合、金利・貸株料などの煩雑な費用がかかりますが、FXでは、そういった費用はいっさいかかりません。
(ただしスワップ金利にだけは、注意が必要です)
また2011年8月1日より、日本のFXではレバレッジは25倍までしかかけれません。
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