オルタナティブ投資で人気のあるもののひとつに、金(きん)投資があります。
デフォルト対策として、さらに資産の守りを強くしたいという人は、純金・プラチナ・銀などの貴金属投資がオススメになってきます。
「金」は昔から全世界で、それそのもの自体に価値がある実物資産と見なされてきました。
まずその価値を保証するのは、希少性です。
よく言われるのが「地球上で金はプール3杯分しか発見されていない」という言い回しです。
<純金投資のメリット>
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インフレ時やデフォルト時には、貨幣価値はさがったり無価値になったりしますが、その一方で純金の価値はあがります。
またデフレ時でも、純金の量にはかぎりがありますので、一時的に純金の価値が急落することはあっても、結局は軌道修正され、ゆるやかに上昇しつづけることになります。
インフレ、デフレ、デフォルト、日経平均株価が急落したときや世界の通貨が不安定なとき、あらゆる経済危機に対応できる避難通貨として、純金は親しまれています。
ですので米ドルやユーロといった外貨よりも、純金で日本円のデフォルト対策をしたほうが、より確実となります。
<金1グラムあたりの値段>
1944年 | 5円 |
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1971年 | 700円 |
2000年 | 1000円 |
2008年 | 3000円 |
2013年 | 4500円 |
現在の金相場については、田中貴金属工業を参照してください。
● 田中貴金属工業
2000年からネット投資が頻繁になることで、純金はさらに資産として需要をましており、今後有望と言えます。
なお純金には、同種のオルタナティブ投資である不動産と比べて、固定資産税がつかないのもメリットです。
また純金は、買うときには消費税を払い、売るときには消費税が売値に上乗せとなるシステムです。
日本は消費税が増税しても、減税することはありませんから、長年純金を持つことで、消費税差益で稼ぐことも可能です。
もっぱら純金はデフレの円高時に買うのが割安なので、買うならインフレに向かう2010年代のいまが最適です。
<純金投資のデメリット>
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金の最大のデメリットとしては、インカムゲイン(利子)がつかないことです。
金は稀少性があるから価値が高いというだけであって、金を単純所有するだけでは、なにも価値をうみだすことができません。
これが通貨・株・債券などとは根本的に違う要素となってきます。
ですので金は基本的に、キャピタルゲインで稼ぎます。
また何度も言うように、金の価値を保証するのはその希少性です。
ですから今後、極端な話が、宇宙開発などによって、別の惑星で新しい金が大量に発見される、ということがあれば、価値がさがる可能性はあります。
また当たり前のことですが、純金は厳密には通貨ではありませんので、すぐにお金(各国の通貨)として使うことはできません。(少なくとも各国の通貨がまともに使えているうちは)
金投資は主に以下の4つの種類があります。
純金積立
金ETF
金地金
金貨
毎月決まったお金を金投資として指定の銀行口座からひきおとす、純金積立がメジャーな方法です。
楽天証券やマネックス証券では月々1000円から積立が可能です。
どちらも手数料は購入時のみ、2.625%(税込)かかります。(1000円積立の場合、年間1万2000円なので315円の手数料)
とりあえず小額からはじめたいという場合は、楽天証券、マネックス証券を利用するといいでしょう。
金ETFや投信を利用する方法もあります。
株を売買するのと同じ感覚で、金を売買できます。
金ETFのオススメはSPDRゴールド・シェアやETFS金上場投信です。
特にSPDR(スパイダー)ゴールド・シェアは、世界でも最大規模の資産を誇る金ETFで、純資産残高が5兆円をこえます。
信託報酬(手数料)も全投資額の年0.4%前後の格安ですみ、2014年時点では、最低購入金額は1万2000円程度です。
これはSBI証券などで購入できます。
純金の投資信託は日本ではブラックロック・ゴールド・ファンドが有名です。
しかし信託報酬や購入時手数料が、普通の投信よりも高くつくことに注意です。
基本は投信よりも金ETFがオススメです。
他にもまとまったお金があるなら、金地金、地金型金貨、ハイリスク・ハイリターンの金CFDという手段もあります。
自分で純金を持ちたい場合は、金貨がオススメになります。
金地金(ゴールドバー・インゴット)も自分で持つことができますが、盗難のリスクを考えると、銀行の金庫などを使うことが必至です。
つまり、管理費用がかかるということです。
また1キログラムから買うのが基本なので、2014年時点では、最低でも450万円が必要になります。
一方投資金貨であれば2014年時点で、ウィーン金貨・メイプルリーフ金貨が、1オンス15万円前後で買え、ゴールドバーと比べるとお手頃です。
10分の1オンスのコインなら、1万5000円で買うことができます。
特に自分で普段持っていたいなどのこだわりがなければ、基本的には安値ではじめられる純金積立や金ETFをオススメします。
純金積立や金ETFも、会社やファンドによっては、1キログラム級の額(2014年なら450万円ほど)に達することで、純金そのものをとりだすことが可能です。
現物交換は純金積立なら田中貴金属が対応していますし、金ETFならSPDRゴールド・シェアが対応しています。
国内の金ETFなら「金の果実」というファンドでも対応しています。
純金積立で買った純金は、販売会社が無料で保管します。
特定保護と消費寄託のふたつの管理方法があります。
管理方法 | 対応する会社 |
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特定保護 | エース交易・田中貴金属工業 |
消費寄託 | 楽天証券・マネックス証券・KOYO証券 |
特定保護のほうが安全性は高く、消費寄託は、普通の銀行のお金と同じような管理方法になります。
消費寄託であっても、著名な楽天証券、マネックス証券であれば、基本的に安心です。
為替手数料(スプレッド)や信託報酬など、金投資の方法によって純金の手数料は多数あります。
純金積立では、買うときの手数料、そして年会費の2つを気にすればOKです。
購入手数料が0円なら年会費が3000円前後、年会費が0円なら購入手数料が1~5%前後かかる、という会社が多いです。
金投資商品の中でも、長期的に見たとき、全体の手数料が低いのは純金積立です。
純金積立は購入時(年会費)にだけ手数料がかかり、金ETFは、投資している全財産の数パーセントを、信託報酬(手数料)として毎年回収します。
純金の価格は上昇を続けるわけですから、金ETFは資産が膨大になったとき、相応の手数料をとられることになります。
一方純金積立は、どんなに資産が多くなっても、毎年同じ金額を積立てるなら、それと等価の同じ手数料しかかかりません。
<手数料格安ですむオススメ純金積立会社>
毎月4000円以下の積立 | 楽天証券・マネックス証券 |
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毎月5000円以上の積立 | KOYO証券 |
純金積立において、購入手数料が無料、年会費のかかる会社で有名なのはKOYO証券です。
KOYO証券では、1500円の年会費がかかります。
5000円以上の積立をおこなうなら、ここが手数料最安です。
どんなに投資しても、年間1500円以上の手数料がかかることはありません。
ただしKOYO証券は、消費寄託による管理方法をとっていることに注意です。
投資した純金を厳重に管理したいという場合は、以下のようなオススメになります。
毎月1万円以下の積立 | 楽天証券・マネックス証券 |
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毎月1万円以上 5万円以下の積立 | エース交易 |
毎月5万円以上の積立 | 田中貴金属工業 |
楽天証券・マネックス証券・田中貴金属工業・エース交易は、年会費がなく、購入手数料があります。
楽天証券・マネックス証券は一律2.625%の手数料です。
一方田中貴金属とエース交易は、毎月の積立額をふやすと手数料が安くなります。
田中貴金属(G&Pプランナー)の場合、毎月1000円~2000円の積立では、手数料5%と高いですが、毎月5万円以上の積立では1.5%まで安くなります。
エース交易は1万円未満の毎月積立で5%、1万円以上で1.7%です。
なお田中貴金属では、スポット購入については1万円以上で手数料が無料です。
ただし田中貴金属のスポット購入は、積立をおこなっている人のみが利用可能です。
スポット購入は原則振込手数料がかかりますが、住信SBIネット銀行を使って入金すれば、毎月3回まで振込手数料が無料です。
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