金利とは、銀行にお金をあずけておくことで発生する、利息・利子・利回りのことです。
普通「1年間でいくらもらえるか」の年利で表されます。
たとえば金利0.02%なら、100万円をあずけておくことで、1000000×0.0002=200、1年に200円の利息が発生します。
そこから税金の20%をとりのぞいて160円が利息となり、翌年には100万160円の預金となります。
この利息は、元本割れの危険性のない安全な金融商品(主に日本債券)を、銀行が運用することで調達されています。
この金利が発生する代表的な金融商品としては、銀行口座でいつでも入出金ができる普通預金、そして一定期間、出金ができないかわりに金利の高くなる定期預金などがあります。
もっぱらデフレーション(物価が低い・円高)から、インフレーション(物価が高い・円安)に推移する国は金利があがり、インフレーションからデフレーションに推移する国は金利がさがります。
ですので性質上、先進国では金利が低く、途上国・新興国では金利が高い傾向です。
<各国の定期預金のおおまかな金利(2014年)>
アルゼンチン・ペソ(ARS) | 22.02% |
---|---|
イラン・リアル(IRR) | 18.03% |
インド・ルピー(INR) | 9.04% |
ベトナム・ドン(VND) | 9.00% |
トルコ・リラ(TRY) | 8.60% |
ロシア・ルーブル(RUB) | 8.20% |
アフリカ・ランド(ZAR) | 6.50% |
オーストラリア・ドル(AUD) | 4.30% |
ニュージーランド・ドル(NZD) | 4.00% |
中華人民共和国・人民元(RMB) | 3.30% |
イギリス・ポンド(GBP) | 2.10% |
イタリア・ユーロ(EUR) | 1.70% |
カナダ・ドル(CAD) | 1.35% |
アメリカ合衆国・ドル(USD) | 1.20% |
ドイツ・ユーロ(EUR) | 1.00% |
日本・円(JPY) | 0.20% |
フランス・ユーロ(EUR) | 0.19% |
スイス・フラン(CHF) | 0.13% |
(各国の通貨には3つのアルファベットで表す「通貨コード」があります)
戦後から1970年頃までの発展途上国時代の日本も、1ドル360円の固定相場制のもとで円安となっており、金利は普通預金だけでも年利7%という、いまから考えれば信じられない数字でした。
この数字はいまでは、リスクをとって、世界経済に分散投資することで、ようやく達成できる利回りです。
現代の2000年以降の日本はデフレと円高が極まっており、それに伴って金利も普通預金は0.02%までさがっています。
普通預金 | 0.01%~0.1% |
---|---|
定期預金 | 0.02%~0.5% |
この数字は、先進国の中でも異常とされています。
もう少し金利について、詳しく触れていきます。
金利というのは、国がお金の流動性、ようするに、お金のまわり具合をコントロールするために、中央銀行を介して各銀行へ設定するものです。
これを政策金利といいます。
デフレーションのときは経済活動が破綻しているので、お金の価値があがり、物価が安くなっています。
その結果、私達国民は貴重になっているお金を使いませんので、お金が市場に流れなくなりモノが売れず、さらに経済がストップしお金の価値があがって物価が安くなる、という悪循環が生まれます。(デフレスパイラル)
なので政府はお金を流れやすくするよう、銀行の金利をさげることで、銀行にあずけているお金をどんどん外にだしていくよう、私達に促します。
それでモノを買ったり投資にまわしたりなどの、お金の流れができていくわけです。
一方インフレーションは経済活動が活発化しており、お金が市場に流れすぎてしまっています。
このときのお金の価値はガタ落ちで、物価が高すぎて生活がままならなくなります。
そこで政府は金利を高くすることで、人々のお金を銀行口座にとどめるよう操作します。
お金の流れをとめるわけです。
お金の価値 | 物価 | 金利 | |
---|---|---|---|
デフレーション | 高い(円高) | 低い | 低い |
インフレーション | 低い(円安) | 高い | 高い |
またこれに関連して、ほぼお金と同質である債券(国や会社の借金の証書)は、インフレになると価値がさがり、デフレになると価値があがります。
ですのでアベノミクス等の影響で、今後日本がインフレや円安にむかうと考えれば、国内の日本国債を長期の定期で購入するのは、あまり賢い選択とは言えません。
逆にこうしたデフレからインフレに向かう過程では、株を買っておくことで利益をあげることができます。
債券(お金) | 株(モノ) | |
---|---|---|
デフレ→インフレ | 弱い | 強い |
インフレ→デフレ | 強い | 弱い |
債券の価値は通貨価値に依存し、株の価値は物価に依存する、と考えればわかりやすいです。
実際1990年以前の経済発展期(インフレ)の日本では、資産運用で稼いだのは投資家よりも、なにも考えずに高金利の郵便貯金をして、自動的に債券運用をしていた一般の日本人です。
現在の老年層が、それに該当します。
<インフレ・デフレと株・債券の優しい解説>
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デフレでは株に投資し、インフレでは債券投資や口座預金をおこなう。
これがひとつの基準になります。
なおデフレーションとインフレーション、どっちが良くてどっちが悪い、ということはありません。
どちらにもメリット・デメリットがあります。
デフレ・インフレに応じて、うまくたちまわることが重要です。
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