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基準価額と純資産残高はどちらが大切?
<投資でお金を稼ぐ方法・投資信託マニュアル4>


株においては銘柄の株価、FXにおいては外貨の為替レートが値段となりますが、それと同じように投資信託では、その値段を基準価額(きじゅんかがく)といいます。

(よく勘違いされますが、基準価格ではなく基準価額です)

この差益・差損によってキャピタルゲイン・キャピタルロスが決まります。


<各金融商品の値段を示す言葉>

値段
株価
FX為替レート
投信基準価額

基準価額は「1万口あたり●●円」という形で、1日に1回のみ更新されます。

具体的に言えば、ファンドで投資されている各株式・債券の終値・株数を、時価総額で集計、そこに株の配当金、債券の利息をプラス、運用手数料(信託報酬)をひいて、純資産総額(純資産残高)を算出。

それを受益権総口数(ファンドを買った投資家全員の口数の合計)でわります。


  • 純資産総額=各株式・債券の価格合計+配当金・利息-信託報酬

  • 基準価額=純資産総額÷受益権総口数(×10000)


株の株価は売り手と買い手の需給バランスによって左右されますが、ファンドの価格である基準価額は、買い手・売り手の多さは関係してこないわけです。


また前述のように、基準価額は1日に1回のみ更新される仕様ですので、投信の購入・解約の注文時には、いくらで買えるか、いくらで売れるかの正確な値段はわかりません

基準価額は東証の営業が終了する午後3時以降に算出が開始され、翌日になってから発表されます。

そのときにファンドの売買額も、ようやくはっきりします。

基準価額が株価のように常時変化していかないのは、複数の銘柄が対象になっていて、算出が煩雑であるためです。


多くのファンドは基準価額の推移を、騰落率(トータルリターン)と呼ばれる百分率で表示します。


トータルリターン=基準価額の増減額÷もともとの基準価額


たとえば基準価額1万円で買ったファンドが1万1000円になっていたら、


1000÷10000=0.1=10%


+10%のトータルリターンになりますし、逆に9000円となったら、


-1000÷10000=-10%


マイナス10%となります。


<主要バランスファンドの年間騰落率の比較>

世界経済IFセゾン・バンガードGBFセゾン達人F
2007年4.97%-7.06%
2008年-35.23%-45.22%
2009年31.97%18.99%37.79%
2010年-3.67%-5.38%1.20%
2011年-8.23%-5.77%-10.30%
2012年24.41%21.67%32.08%
2013年12.05%14.46%25.67%


基準価額は大切なのか?


基本的に基準価額の高低は、そのファンドの割安・割高には関係しません

割安・割高は、投信のアセットアロケーションにくまれている各株のPERROEなどを見て、判断する必要がありますが、それはファンドマネージャー達の仕事にほかなりません。

優秀なファンドであれば、割高な投資対象は淘汰していき、バリュー株・グロース株などを次々と導入していきます。


また株に株式分割があるように、基準価額も新しいファンド購入者をよりつかせるため、受益権分割によってさがることがあります。

この場合、基準価額がさがっても、口数は平等に調整されます。

たとえば受益権分割で、基準価額2万円が半分の1万円になると、10万口のファンドを購入していた投資家であれば、20万口を持っているように調整されます。

どちらも時価総額は20万円となり、損はでない計算です。


このような側面からも基準価額の高低は、投信を選ぶさいには関係がないと言えるのです。

基準価額は投資信託の株価にあたるため、この点は初心者が勘違いしやすい部分でしょう。


基準価額の変化要因実質的な価値
運用による上昇・下降あがる・さがる
手数料による下降さがる
受益権分割による下降変化なし
総口数の変動変化なし(ただし大きな下降は運営難に)

もちろんファンドの売却時は、この基準価額が購入時よりあがっていないと利益がでません。(受益権分割による低下を除き)

数年以上の長期で見て平均的に基準価額のさがっているファンドは、ダメなファンドと言えます。

しかし株価同様、基準価額はあがるときはあがるし、さがるときはさがります。

投信は短期的な視野(1年未満)で見るとハイリスクとなりますが、長期的な視野(10年以上)で見ればローリスクハイリターンとなり、2008年のリーマンショックなどで一時的に基準価額が暴落したとしても、最終的には高確率で値上がりを期待できます。


そしてそもそも投信は、忙しい人や面倒な人が長期を前提にして利用するものです。

ですので、普段は基準価額は特に気にするものではありません。

毎月積立購入する場合はドル・コスト平均法の効果も働きますので、なおのこと杞憂です。


基準価額よりも純資産残高を見る


純資産残高(純資産総額)はファンドの価値そのものです。

投信では株価に当たる基準価額よりも、この純資産残高のほうが重要です。

投信を買ったあとに投資家がやることの最優先事項としては、半年か1年に1回程度、この数字をチェックすることです。

純資産残高はファンドマネージャーによる運用差損益や信託報酬によって変化するほか、私達投資家が投資したお金でなりたっているので、私達がファンドを購入したり売却したりしても、変化します。


世界恐慌でも起きていないかぎり、半年以上の規模でずっとこの純資産残高の下落が進んでいるファンドは、運用状況が悪く、解約も多いファンドということになります。

こうしたファンドは基準価額があがっていても要注意で、はやめに解約したほうがよい不良ファンドです。

解約が多いと受益権の口数が少なくなるため、純資産残高がさがるいっぽうで基準価額はあがる、ということがよくあります。


新しくファンドを買うときも、この純資産総額が増えつづけているファンドを選ぶことがポイントとなります。

現在は優秀なファンドであれば、純資産残高の推移をネット証券の各ファンド購入ページに記載していますから、よく確認しておきましょう。

また初心者の皆さんには、最低30億円の純資産残高があるファンドがオススメです。

純資産残高が30億円以下だと、ファンドマネージャーの給料となる信託報酬の割合がどんどん増えていき、運用不調となりがちです。

特に最初は500億円レベルの純資産残高があったにもかかわらず、そのうち30億円を下回ってしまう、というファンドは確実にアウトです。

逆に最初は少額からはじめていて、徐々に30億円を突破して100億円、200億円とのびているファンドは、優秀と言えます。

そうしたファンドであれば、自然と信託報酬などの手数料もどんどんさがっていきます。


基準価額よりも「純資産残高が増えつづけていること」を確認する

これを理解できれば、投信ユーザーとしての第一条件はクリアしたも同然です。


<主要ファンドの純資産残高推移の比較(およその数字)>

世界経済IFセゾン・バンガードGBFグロソブ
2000年1000億
2001年5000億
2002年1兆
2003年2兆
2004年3兆
2005年4兆
2006年5兆
2007年50億5兆5000億
2008年150億5兆
2009年5億200億4兆
2010年10億250億3兆
2011年15億300億2兆
2012年20億450億1兆5000億
2013年30億600億1兆5000億
2014年40億700億1兆3000億


当サイトでオススメしている世界経済IFとセゾン・バンガードGBFについては、着々と純資産残高がのびています。

特にセゾン投信は日本のバランスファンドの先駆けでもあるため、どのインデックスファンドよりも純資産残高が高く、安定しています。


いっぽう国内で伝説的に一番買われていた投信・グロソブについては、2008年のリーマンショック以降、純資産残高がかなり落ちています。

2014年時点で、まだ1兆円の残高があるとはいえ、5兆が1兆になったということを考えれば、極めて危険な状態と言えるでしょう。

本当に安定したファンドであれば、リーマンショックのような世界的な不景気で、一時的に残高が下落したとしても、また復活していくものです。

● 世界経済インデックスファンドの基準価額と純資産残高の推移(参考)

良いファンドを探すさいは、リーマンショック後の純資産残高の推移に特に着目してみると、よい判断基準となるでしょう。


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