当ページでは、電気代の全体的な節約方法についてまとめています。
未使用時の状態の電気機器でも、コンセントにつながっているだけで電気を消耗しています。
これを待機電力と言います。
特に温水便座、ビデオデッキ、電子レンジなどは、待機電力が非常に大きいです。
待機電力は、全体の電気代のおよそ10%を占めると言われています。
逆を言えばここを省くだけで、電気代を月額1万円払っているなら、月に1000円の節約効果を発揮するわけです。
昔から言われている待機電力のカット手法は、使用頻度の低い電化製品のプラグはコンセントから抜いておく、という原始的なものでしたが、この動作は手間がかかります。
最近では「スイッチ付きの節電タップ」が使え、オススメです。
これを使ってスイッチを押すだけで、実質上プラグの抜き差しと同じことができます。
ヘアアイロンやストーブなどに使えば火事の事前防止にもなりますし、時間とお金を節約したい人にはオススメです。
電気代は、電気機器を使用しているときの費用以外にも、まったく電気を使っていなくてもかかってくる、毎月の最低基本料金というものが設定されています。
この最低基本料金は、契約アンペアを変更することで削減可能です。
一般家庭で使われる、東京電力のオーソドックスな「従量電灯B」のプランであれば、契約アンペア数は10アンペアから60アンペアまでの7種類あります。
10アンペアに近づくほど、一度に使える電気量がへるかわりに基本料金が安くなり、60アンペアに近づくほど、一度に使える電気量がふえて、基本料金も高くなります。
現行の契約アンペア数は、洗面台付近に配置された分電盤で、把握できます。
分電盤のアンペアブレーカーの色が契約アンペア数によって異なり、アンペア数自体も分電盤に書かれています。
アンペア数 | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
---|---|---|---|---|---|---|---|
色 | 赤 | 桃 | 黄 | 緑 | 灰 | 茶 | 紫 |
最低基本 税込料金 | 280 円 | 421 円 | 561 円 | 842 円 | 1123 円 | 1404 円 | 1684 円 |
(値段は消費税8%時)
契約アンペア数は、東京電力などの各地の電力会社に電話すれば変更できますが、変更後は基本的に一年契約であることに注意します。
契約アンペア数は、家全体で同時に使っている電化製品の合計アンペア数の最大値から考えていきます。
<電気機器とアンペア数の例>
インバーターエアコン・冷房 | 6A |
---|---|
インバーターエアコン・暖房 | 7A |
冷蔵庫 | 2A |
照明 | 1A |
電気カーペット | 8A |
電子レンジ | 15A |
液晶テレビ | 2A |
プラズマテレビ | 5A |
炊飯器 | 13A |
掃除機・弱 | 2A |
掃除機・強 | 10A |
IHクッキングヒーター | 20A |
ドライヤー | 12A |
アイロン | 14A |
食器洗い乾燥機 | 13A |
ヘアードライヤー | 12A |
洗濯乾燥機・洗濯時 | 2A |
洗濯乾燥機・乾燥時 | 13A |
なお電気機器自体には、通常はアンペアではなくワットで数字が表示されています。
アンペア(電流・A)×ボルト(電圧・V)=ワット(電力・W)で、電圧は通常100Vですから、100Wと書かれていれば大体1Aです。
たとえばエアコンを暖房でいれ、同時に冷蔵庫・ドライヤーも使っている、ということであれば、合計は21Aですので、30A以上で契約しないと電気が一気に消えて、ブレーカーが落ちます。
コツとしては、まず常時使っている電化製品、たとえば冷蔵庫や照明などを軸に考えます。
エアコンやストーブ等の暖冷房を我慢できるなら、断然節約の効率はアップします。
あとは臨機応変に限界アンペア数をこえないように、一方の電気機器を使うときはもう一方を切る、などの工夫をしていきます。
上記の例であれば、ドライヤーを使っているあいだは冷暖房を切る、などの工夫です。
この手間をかけれるかどうかが、契約アンペア数で節約できるかどうかを大きく左右します。
あまりこの節約法にこだわりすぎると、いわゆる「節約貧乏」になりやすいです。
最低の10Aで280円、最高の60Aで1684円ですから、せいぜい最大でも月に1404円(消費税8%時)の節約効果です。
この程度の節約に時間をかけるくらいなら、バイトやネットビジネスで稼ぐことに時間を使っていたほうが、建設的です。
時間節約派でとことん電気を使うという人は、無理せず最低でも30Aで契約しておくのがオススメです。
後述のオール電化を使う場合には、むしろ60A以上あったほうがいいでしょう。
前述した10A~60Aのプランは「従量電灯B」のメニューです。
その一方で最近では、オール電化用に60A(6kVA)以上に対応した「電化上手」や「おトクなナイト」といった時間帯別電灯プランがあります。
ガスと電気を併用するなら「従量電灯B」で10A~60Aを調整する。
オール電化や、夜間の電気使用が多い人であれば「電化上手」や「おトクなナイト」などを使う。
これがひとつの基準になります。
<電化上手の場合の月額最低料金>
契約電力量 | 最低基本税込料金 |
---|---|
6kVA以下 | 1296円 |
7kVA~10kVA | 2160円 |
11kVA以上 | 2160円+280.8円×(契約電力量-10kVA) |
(1kVAは10A)
オール電化対応プランも従量電灯Bプランと比べて、そこまで基本料金に差がないことがわかります。
(2016年追記)
2016年4月から電力自由化がはじまっていますが、くれぐれも安易に新しいプランに手をださないようにします。
当面は、従来のプランが使えることになっています。
毎月の電気代のかかり方には、一定のルールがあります。
<東京電力「従量電灯B」プランの1か月ごとの電気代>
1kWhごとの電気代 | |
---|---|
120kWhまで | 19.43円 |
120kWhから300kWhまで | 25.91円 |
300kWhから | 29.93円 |
たとえば1か月で400kWhぶんの電気を使ったのなら、「19.43円×120kWh+25.91円×180kWh+29.93円×100kWh」となり、合計は9988.4円。
従量電灯Bで1か月400kWhぶんの電気を使えば、合計1万円程度の料金、ということになります。
1か月の使用電気量が120kWhと300kWhをこえると、それぞれ1kWhごとの料金が19円から25円、25円から29円へと変わっていきますので、1か月の電気量をなるべく300kWh以内におさえて節約する、ということも、一応はできます。
例として、以下は当サイト管理人の2016年4月の電気代。
387kWh使っています。
従量電灯B・30A契約ですので、まずは上述のように基本料金で842円。
つづいて使用した電気量が300kWhをこえていますので、1段料金が19.43円×120kWh=2331.6円の最大値。
2段料金が25.91円×180kWh=4663.8円の最大値となっています。
これでだいたい総計9922円です。
参考にしてください。
オール電化対応の時間帯電灯プランの場合は、以下のルールです。
<東京電力「電化上手」プランの1か月ごとの電気代>
1kWhごとの電気代 | |
---|---|
昼時間・夏季 | 38.63円 |
昼時間・その他季節 | 31.64円 |
朝晩時間 | 25.92円 |
夜時間 | 12.16円 |
昼時間 | 午前10時~午後5時 |
---|---|
朝晩時間 | 午前7時~午前10時・午後5時~午後11時 |
夜時間 | 午後11時~午前7時 |
電化上手にかぎらず、時間帯電灯プランの場合は、深夜に安く電気を利用できるかわりに、日中の電気代が高額になることに注意します。
ちなみにオール電化に対応した家でなくても、「電化上手」などのプランを使うことができます。
ほとんど夜間にしか電気を使わないライフスタイルの人は、いっそ従量電灯Bからプラン変更してみるのも、よい節約方法になるでしょう。
給湯器やコンロといった家の設備の一部は、従来からガスでまかなうのが基本でしたが、これらをすべて電気で代替するのが、オール電化です。
基本的には、賃貸を選んだり家をたてたりする段階で、オール電化にするかどうかを決めます。
結論から言えば、現状(2010年代時点)でのオール電化は、あまりオススメしません。
<オール電化のメリット>
|
東北大震災の原発事故後、電気代の高騰でオール電化の全体的値上がりが危険視されましたが、現在でも月1万円以下の料金におさえている家庭は、めずらしくありません。
ただしオール電化で注意すべき点として、以下のことがあります。
<オール電化のデメリット>
|
前述のとおり、昼・夜といった時間帯によって電力量料金が変わる仕様以外、ガス併用の従量電灯Bプラン、そしてオール電化対応プランといった電気代自体には、そこまで差はありません。
問題は、オール電化によって伴う設備の初期費用です。
オール電化にすることで、主には給湯器とコンロに変化があります。
特に給湯器が、問題になります。
給湯器であれば、最近ガスはエコジョーズなどのガス給湯器。
電気ならエコキュートなどの電気給湯器を使います。
エコジョーズ(ガス) | エコキュート(電気) | |
---|---|---|
初期費用 | 20万円前後と安い | 50万円前後と高い |
毎月の使用料 | やや高いか同等 | やや安いか同等 |
耐用年数 | やや長い | やや短い |
● エコジョーズ
● エコキュート
このふたつの初期設置費用を比較すると、前者が20万円前後、後者が50万円前後というのが相場。
エコキュートにすることで確かに毎月の費用は10%程度さがりますが、はたして初期費用のぶんをそれでとりかえせるかどうかは、しっかり吟味する必要があります。
よくエコキュートはガス給湯器よりも毎月の費用(ランニングコスト)が安い、なんて言われますが、それは旧式のガス給湯器と比較しているからであって、最新鋭のガス給湯器であるエコジョーズと比較すると、そこまで毎月の固定費に差はない、というのが実情です。
耐用年数はエコキュートのほうがやや短く(平均的におよそ10年間)、とりかえるときは、やはり初期費用と同じく、高いお金を支払う必要がでてきます。
またエコキュートは、あらかじめ貯湯タンクにためたお湯を使う形になるので、使えるお湯の量に、限りがあります。
夜のうちに水を沸かしておければいいですが、昼間に湯切れになって昼から新しく水を沸かす場合、昼の割高な電気料金を支払う必要があることに、注意します。
なおエコキュートの貯湯タンクは年をかさねるごとに、水アカ、サビ、ヘドロが付着し、基本的に掃除できません。
結果水質が悪くなり、飲み水にはむかないことにも注意します。
● ガスコンロ
他、コンロについては、ガスならガスコンロ、電気ならIHクッキングヒーター。
これらの初期費用はそこまで高くはありません。
ただしIHクッキングヒーターで使う鍋は、鉄・ステンレスが基本です。
土鍋やガラス鍋は使えないことに、注意します。
IHクッキングヒーターを使うことで火事の危険性がかなり減るのは、メリットと言えます。
これらのことから、特にこだわりがないなら、オール電化よりも電気と都市ガスの併用がオススメです。
当項目では、各家電の選び方・節約法をまとめています。
参考までに、以下は特段電気代がかかる家電の上位4つと、家全体の電気代と比較したときの割合です。
1位 | 冷蔵庫 | 14% |
---|---|---|
2位 | 照明器具 | 13% |
3位 | テレビ | 8% |
4位 | エアコン | 7% |
冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンの4つの節約を徹底するだけで、だいぶ全体の電気代をおとせることを覚えておきます。
これらが古い場合は、新しい家電に買い換えるだけでも省エネとなり、電気代がグンとおちます。
特にテレビなどは昭和の産物で、持っていても怠けるだけ。
テレビは成功哲学上「失敗者の持ち物」とも言われていますので、そもそも持たないようにしたほうがよいでしょう。
以下は、上述以外の家電の節約法と選び方についてです。
(1)パソコン
パソコンの選び方については、こちらから。
以下では節約法について書きます。
かつては初動のたちあげの電気代が高くなる傾向で、2時間以上使うのであれば、つけっぱなしのほうが電気代はお得なことが多かったです。
しかし最近はパソコンも改良されていますので、つけっぱなしのほうがよい、ということはなくなっています。
使ったら、すぐに電源はきることをオススメします。
スクリーンセーバーも昨今では節約にはならず、むしろ電力消費を助長してしまうことに注意します。
スクリーンセーバーの本来の用途は、ブラウン管ディスプレイの焼きつきを防止することにありました。
しかし最近はディスプレイも液晶モニターばかりですので、現在では実質上、無意味な機能です。
待機モードもさまざまありますが、オススメは休止状態です。
スリープモードでは通電している状態ですので、注意します。
電気代だけを考えるなら、デスクトップパソコンよりも、ノートパソコンのほうが節約となります。
とはいえパソコンで仕事をする方は、くれぐれも節電より、どちらのほうが自分が作業しやすいかを、最優先に考えるようにします。
モニターについては、一定時間経過後に電源が自動できれる仕組みを、あらかじめ設定しておきます。
これはパソコンだけでなくテレビでもそうですが、画面は暗めに設定しておくと、消費電力が少なくなります。
(2)ドライヤー
1200W前後という電力大量消費ですが、健康を考えるのであれば、入浴後は毎回しっかりドライヤーをかけ、頭皮の毛穴をふさぎます。
シャンプーで洗ったあと、頭皮はやわらかくなっており、生乾きで放置してしまうと雑菌がたくさん侵入。
脱毛やフケといった健康リスクがありますので、注意します。
頭皮の健康ケアについては、以下のページも参照してください。
消費電力をおさえたドライヤーもありますが、かわかすためにそのぶん長時間結局使ってしまいますので、特に低燃費ドライヤーにはこだわりません。
もっぱら風量の強いドライヤーを使って素早く乾かすほうが、キューティクルをしっかりしめることができ、頭皮と髪に良いとされています。
目安として、風量が毎分1.3立方メートル以上のドライヤーを使うようにするとよいです。
また温度についても、高温ばかり使っていると髪をいためます。
ハリ・コシ・硬さがほしい場合は高温、ツヤ・潤い・柔らかさがほしい場合は低温、という感じに使いわけます。
マイナスイオン・ナノイオンについては、メーカーや使用する人によって、だいぶ効果がかたよります。
ことマイナスイオンについては「効果なし」と言う人もいるほどです。
共通するのは、低温・大風量で一気に乾かしている点。
結果として、毛の絡みやクセ毛をふせいだり、髪の形をキープしたいロングの人にオススメとなります。
他、スカルプモードや地肌エステモードなどの切り替えが可能なドライヤーもあります。
オゾン発生機能があると、だいぶ頭皮のケアがはかどります。
長髪の場合は、ドライヤーをする前に髪をしぼったり、タオルドライを徹底します。
また入浴後の湿度の高い洗面所ではなく、湿度の低いリビングルームや部屋などで、ドライヤーをかけるのがオススメです。
最後は冷風でしあげるのも、忘れずに。
ドライヤーのお手入れは、本体外側は石鹸水をつけた布で、吸い込み口・吹き出し口は、歯ブラシや掃除機で掃除します。
またドライヤーは、湿気の少ない場所に保管します。
コードは、本体に巻きつけないようにします。
以下、オススメのドライヤーです。
(3)アイロン
アルミコーティングされたアイロン台を使うことで、熱効率がよくなって、シワをすばやく除去できます。
またこれにより、アイロン自体の設定温度を低くできますので、節約になります。
低熱ですむ衣類からアイロンをかけていくようにすることで、待機時間もなくなります。
低熱 80~120度 | アクリル、ポリウレタン、アセテート |
---|---|
中熱 140~160度 | 毛、絹、ナイロン ポリエステル、キュプラ、レーヨン |
高熱 180~210度 | 綿、麻 |
いわゆる化学繊維は低温で、天然繊維は高温でアイロンをかけます。
アイロンのスチーム機能も有効に使いましょう。
シワをのばしたり、折り目をつけたり、ニオイをとるときにスチーム機能は適しています。
そもそも着る服を選ぶ段階で、「ノーアイロン」のものを買うようにすると、アイロンの必要性がなくなります。
以下、オススメのアイロンです。
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