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クレジットカードのコンシェルジュとは?
<クレジットカード・融資の基本マニュアル23>



コンシェルジュというと、普通は「なんでも屋」とか「秘書サービス」を意味します。

高級ホテルの受付であればかならずいて、周辺地域の観光情報の提供をはじめ、航空券やチケットの手配から、あらゆる探しものまでやってくれます。


クレジットカードでも、プラチナカード以上でコンシェルジュのサービスが付帯。

電話サポートによる「コンシェルジュ・デスク」として機能します。

クレジットカードでは似たサービスとして、通常の「電話サポートサービス」が年会費無料カードでもありますが、おおまかな違いは以下のとおりです。


  • 通常の電話サポートサービス → クレジットカードの支払い方法などの設定変更、旅行先での航空機・ホテル手配、観光サポート

  • コンシェルジュ・デスク → 基本的に要望はなんでも聞いてくれる(カード決済を見込めれば)


また通常の電話サポートだと営業時間帯しかつながりませんが、コンシェルジュであれば、365日24時間いつでもつながるのが特徴です。


コンシェルジュは完全な秘書サービスとして使え、情報の調査を丸投げできますので、従業員のいない個人事業主にとっては、かなり時間節約となります


クレジットカードのコンシェルジュサービスが要望をうけつける大きな基準は、以下のとおり。


  • その要望をうけることにより、カード決済が見込めるかどうか


コンシェルジュ自体の利用料は、クレジットカードの年会費さえ払っていれば無料です。

なのでカード会社にとって利益になる要望かどうか、つまりはカード決済を見込める要望かどうかが、大きな分かれ道となります。


たとえば「来週会食をするので、オススメのフランス料理店を探してほしい」という要望は、コンシェルジュであれば確実にとおります。

安い飲食店の調査を依頼するのでもOK。

なんであれ、その店先でのクレジットカード決済が見込めるためです。

条件つきで宿泊先の調査を依頼するのも、もちろんOK。

「駅から近い」とか「和室」とか「客室に露天風呂がついている」とか、そういった細かい要望にもこたえてくれます。


また、普通クレジットカードの電話サービスというと、サービス対象が旅行、ホテル、レストランなどに限定されがちですが、コンシェルジュサービスはそのかぎりではありません。

「限定品のゲームを探してほしい」という要望も、カード決済可能性があるのでやってくれます。

「家事代行サービスを探して、家に手配してほしい」なども、当然OK。

このように要望の幅が日常までかなり広がってくるのが、コンシェルジュサービスのいいところです。


逆に、カード決済を見込めない要望については、だいたいアウトです。

たとえば「オススメの株を教えて」などは、カード決済とはまったく関係のない要望ですので、どのコンシェルジュでも却下されます。

ただし中には、カード決済を見込めない要望であっても対応してくれる、良質なコンシェルジュもいますので、一概に断言できないのが実情です。

カード決済のない要望でも対応してくれるコンシェルジュは、確実に「あたり」です。

この点は、そのときのオペレーターやカード会社の性格にもよります。

クレジットカードの種類によって、コンシェルジュのサービス内容は異なってきますし、アメックス・センチュリオンをのぞくと、毎回同じ専任のコンシェルジュがつくわけではないので、別の日に問い合わせると、回答がちがうこともしばしばです。


国外対応か海外対応かによっても、大きく異なります。

傾向として、JCBザ・クラスのコンシェルジュは、国内の店の調査・提案であれば優れていますが、海外の店になると力が弱まります。

オペレーターやカード会社の情報調査の経験やセンスを、吟味することが大切です。


クレジットカードの年会費の高低によって、コンシェルジュの質を安易に決めることもできません

JCBザ・クラスならJCBザ・クラスの良さがあり、ダイナース・プレミアムならダイナース・プレミアムの良さがあります。

廉価版プラチナカードと言われるMUFGプラチナアメックスのコンシェルジュですら、良質な部分があります。

ただしアメックス・センチュリオンのみは規格外で、年会費が30万円代するだけあって、専属コンシェルジュが2名つきますし、最強のコンシェルジュと言っていいでしょう。


アメックスやダイナースなどのコンシェルジュであれば、通常予約では入れない店も、カード会社の権限で予約可能となることがあります。

各有名ホテルやレストランには、カード会社が確保している独自の「枠」があり、普通は満席の店でも、特例で予約が可能になることもしばしばです。


日本国内だと、震災時でもJCBやアメックスといったコンシェルジュがいろんな手配をおこなってくれるので、安心感があります。

「海外脱出のための航空機手配」とか「非常食配達」とか、「出張からいそいで家族のもとに戻るための、交通手段の手配」という使い方がメインですが、震災発生直後は電話につながりにくいデメリットもありますので、気をつけます。


<クレカ付帯コンシェルジュサービスの特徴>

  • 旅行・ホテル・レストランの問い合わせだけでなく、カード決済の見込める要望なら、細かい部分までなんでも応えてくれる

  • まれにカード決済の見込めない要望でも、応えてくれるケースがある

  • 普通の予約では入れない店も、コンシェルジュを使えば入ることが可能

  • カード会社のセンスや性格により、要望に対する提案の内容や、得意分野が異なってくる

  • 365日24時間対応


以下、コンシェルジュサービスが付帯するクレジットカード代表例。



一番お手頃なのは、やはりMUFGプラチナアメックスです。

招待制でもOKなら、JCBザ・クラスが低コストで安牌。

海外利用があるなら、アメックス・プラチナ等が妥当です。


コンシェルジュ付帯カードを持つ必要性について


しばしばクレジットカードのコンシェルジュは、法人社長よりも個人むけ、と言われます。

なぜなら法人では、コンシェルジュのかわりに従業員が社長のまわりの世話・雑用をできてしまうためです。

会社の社長としては、いちいちブラックカードを持つ意味がなくなります。

実際ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏といった有名起業家達も、アメックスはブラックカードではなく通常のグリーンカードを持っている、というのは有名な話です。


ひとつの考え方ですが、個人事業主としては、毎月20万円を従業員に払うより、コンシェルジュのために年間5万円~15万円の年会費をブラックカードに払うようにしたほうが、節約にはなります

アメックス・センチュリオンですら毎年の年会費が30万円~40万円ですむので、従業員に年間240万円払うよりは、節約になる計算です。


コンシェルジュ付帯のクレジットカードはお金持ちむけですが、お金持ちほど、必要のない出費はしないという側面もあります。

その上でプラチナ・ブラックカードを持つ必要性についても、しっかり吟味する必要があります

手に入れても飾っているだけでは持ち腐れですし、見栄だけで高級カードを持っても、いいことはありません。

もとをとれるか、節約になるかを、しっかり考えます


次ページより、融資の話にうつります。

外貨キャッシングやリボ払いを使う予定のない方は、読み飛ばして「初心者のクレジットカード選びで注意すべき13のこと」にすすむのがオススメです。

海外にいったとき、クレジットカードで外貨を格安でひきだしたい人は、次ページ以降の融資マニュアルも読解しておくのが、オススメです。


■ 次ページ 金利手数料のわかりやすい説明


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