クレジットカードやカードローン、その他投資・証券口座における信用取引などを使っていると、金利手数料とよばれる費用が、しばしば発生します。
当ページでは金利手数料について、わかりやすく説明していきます。
目次
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金利手数料(利息手数料)は、カード会社や銀行・消費者金融・証券会社といった組織が、私達ユーザーにお金を貸す行為(融資・ローン)があった場合に、発生します。
これは私達が銀行にお金をあずけることで、金利・利息をうけとるのと同じ理屈です。
たとえば2010年代後半、銀行の普通預金は年間0.02%~0.001%程度の金利。
特に三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行といった大手銀行では、0.001%が主流となっています。
たとえば私達が100万円を、三菱東京UFJ銀行の普通預金にあずけたとする。
1年経過し、つく利息は100万円の0.001%です。
1000000*0.00001=10 |
10円が利息となり、普通預金の残高は、100万10円となります。
「銀行にお金をあずける=銀行にお金を貸す」という状態ですので、こちら側に10円という利益が発生します。
これとは逆のことが、金利手数料ではおきるわけです。
私達一般人がカード会社・銀行・消費者金融・証券会社からお金を借りるという段になると、金利がこちら側の支払う手数料として、発生します。
ただし、私達が消費者金融などからお金を借りる場合には、0.001%という生ぬるい金利では決してなく、15%とか18%といった高額な金利になることに、注意します。(その差、およそ1万5000倍~1万8000倍)
この金利手数料の問題点として「気づかないうちにかかっていた」ということが、しばしばあります。
利子のことを詳しく理解していない初心者は、銀行口座にお金をあずけることで、残高がふえていることに気づかないことがあります。
それと同じように、クレジットカードなどを使っていると、知らないうちに金利手数料がかかっている。
様々な原因が考えられますが、クレジットカードの場合は「便利だから」とカード会社に言われて、素直に「リボ払い・分割払い」を使ってしまっているケースが多い。
リボ払い・分割払いでは金利手数料がかかり、トータルの支払い額がかさむということを、知らない人が多いのです。
またリボ払い・分割払いで「借金をしている」という認識が、まったくないのも問題です。
クレジットカード初心者はそういった罠にひっかからないように、しっかり金利手数料の知識を身につける必要があります。
金利手数料の最大の特徴としては「毎日かかる手数料である」ということです。
上述の0.02%や0.001%、15%といった数字は、年間でかかる「年利」という料率の数字です。
この年利を365で割り、日割りの金利手数料の率をだします。
実際にはこの手数料が、毎日かかってくるわけです。
前例の三菱東京UFJ銀行の年利0.001%であれば、365で割る。
0.001%/365=0.00000273972602% |
こちらが、銀行側の毎日かかってくる手数料率です。
結果的には、三菱東京UFJ銀行に100万円をあずけることで、毎日0.027円程度の利息を、私達はうけとることができます。
以下は逆に、私達がお金を借りる場合の、毎日の手数料。
(1)消費者金融のキャッシングで50万円を金利18%で借りた例
日割り金利手数料率 | 0.049315068%(0.18/365) |
---|---|
実際に毎日かかる手数料 | 247円 |
金利手数料率 | |
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1年 | 18% |
半年 | 9% |
3か月 | 4.5% |
1か月 | 1.5% |
返済する日 | 3か月後 | 1年後 |
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金利手数料 | 22,500円 | 9万円 |
返済額トータル | 522,500円 | 590,000円 |
(2)クレジットカードの分割払い・リボ払いで100万円の商品を金利15%で買った例
日割り金利手数料率 | 0.04109589%(0.15/365) |
---|---|
実際に毎日かかる手数料 | 411円 |
金利手数料率 | |
---|---|
1年 | 15% |
半年 | 7.5% |
3か月 | 3.75% |
1か月 | 1.25% |
返済する日 | 3か月後 | 1年後 |
---|---|---|
金利手数料 | 37,500円 | 150,000円 |
返済額トータル | 1,037,500円 | 1,150,000円 |
分割払い・リボ払いの正確な具体例は、こちらでも扱っています。
このように日割りにすると、非常に煩雑な計算となります。
そのため銀行にしてもカード会社にしても、普通は「年利」として金利・利息を表示します。
ただし原則、毎日かかってくるという感覚は、忘れないようにしましょう。
たとえば消費者金融で50万円の借金を金利18%でするのなら、毎日247円程度支払う額がふえている、という感覚を忘れないようにします。
消費者金融にしてもクレジットカードにしても、なるべくはやめはやめに返済したほうが、金利手数料はふくらまずにすみます。
以下のパターンとなります。
唯一金利手数料が発生しない借金形態としては、クレジットカードのショッピング枠使用時の一括払いです。
ただしクレジットカードのキャッシングは、一括払いでも金利手数料が発生してしまうので、注意します。
クレジットヒストリーを構築することを考えるなら、クレジットカードのショッピング枠の一括払いをくりかえすのが、一番お金がかからずにすみます。
なお余談ですが、海外のクレジットカードは、ショッピングの一括払いであっても金利手数料が発生するケースがありますので、注意します。
日本でクレジットカードを作っているかぎりは、そうしたことはありません。
日本の場合は「クレジットカードのショッピング枠の一括払い=無金利」という大原則で、おさえておきます。
借りたお金を返す時期を、自主的にはやめることを、繰上返済と言います。
借金の返済方法として多用される銀行口座の口座振替は、毎月1回ごとにおこなわれるのが基本です。
つまりお金を借りた場合、最低でもおよそ1か月ぶんの金利が、自動的につくことになります。
たとえばクレジットカードの楽天カードやセディナカードでは、締め日が月末。支払日が翌月27日。
4月1日~4月30日に使用したお金は、5月27日に口座振替で支払うことになります。
つまり4月1日にリボ払いやキャッシングを利用した場合、その返済は利子もあわせて、5月27日におこなわれます。
その日数は、57日間。
口座振替の自動返済に頼っていると、およそ最低でも1か月、最大で2か月ぶんの金利手数料がかかる、ということがわかります。
繰上返済では、手動で返済の時期をはやめることで、この余計な金利を払わずにすむメリットがあります。
借金をしたものの、すぐにお金に余裕がある状態となった場合には、積極的に使うべきシステムと言えます。
特に外国で、クレジットカードを使って外貨をひきだす場合には、意識すべきです。
クレジットカードで外貨をひきだすと自動的にキャッシングとなりますので、返済方法を自動の口座振替に任せてしまうと、1か月~2か月ぶんの金利手数料をとられます。
海外キャッシングをおこなったあとにすぐ繰上返済することで、余計な金利を払わずにすみ、節約となります。
セディナカード(年会費無料)では、最安の手数料で海外キャッシングができるうえに、すぐに繰上返済をネット上でおこなうことができます。
またセディナカードであれば、本来1か月~2か月ぶんの金利手数料になるところを、最短2日ぶんの金利手数料にすることも可能。
たとえば金利18%で10万円を借りたとして、2日ですぐに返す場合は、金利手数料が100円です。
4月1日に借りて5月27日に自動返済する最大金利のかかるパターンだと、57日間の金利手数料で2,850円。
およそ2,750円程度の得になります。
100万円の借金であれば繰上返済の金利手数料は1,000円、通常の口座振替の金利手数料は28,500円。
27,500円の得です。
<金利18%でキャッシングを利用した場合>
キャッシング利用額 | 10万円 | 100万円 |
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繰上返済ですぐ返済 (金利2日分) | 100円 | 1,000円 |
月初に借りて口座振替で返済 (金利57日分) | 2,850円 | 28,500円 |
繰上返済で節約できる金利差額 | 2,750円 | 27,500円 |
10万円程度のキャッシングなら2,750円程度の差ですみますが、これが100万円のキャッシングになると、27,500円もの差になります。
節約を意識するなら、繰上返済は積極的に利用すべきです。
繰上返済のスムーズなクレジットカードと、そうでないクレジットカードがあるので、気をつけます。
繰上返済に電話が必要だったり、1か月たたないと繰上返済できないクレジットカードでは、繰上返済はオススメしません。
セディナカードであれば最短2日ぶんの金利手数料、なおかつ電話いらずのネット上の作業で完結するので、外貨キャッシング時には重宝します。
<繰上返済の条件>
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繰上返済を使えば、外貨キャッシングは外貨をひきだす手段としては、一番手数料が格安ですみます。
そのため借金の中でも例外中の例外で、いいものとされています。
外貨キャッシングの繰上返済は、うまく活用していきましょう。
詳細は外貨キャッシングの項目にて、解説しています。
お金を貸す側からすれば、お金を貸すという行為は、いわば投資なわけです。
金利・利息がなければなんの利益も発生しないので、お金を貸すという行為は不健全となります。
私達が銀行にお金をあずけるのも、一種の投資としての選択です。
銀行の債券運用の利率が低くて信用できない場合は、私達は別の投資場所、株式や純金といったものに、証券口座を通してお金をあずけるという選択ができます。
銀行や消費者金融も、それと同じことをおこないます。
私たちにお金を貸すときの審査も、しっかり利益を回収できるかどうかを、見定めるためにおこなうわけです。
何事にしても「格付け」がおこなわれ、信用を得ている預け先・貸し先ほど、金利・利息は低くなります。
私達一般人という存在を投資対象と見なした場合、会社や国、株式や債券といった投資対象よりも、はるかに格付けが低くなります。
ですので、金利手数料は年利18%と、高く回収されてしまいます。
証券口座の信用取引や不動産投資などをするときの借金で、金利手数料が2%とか3%とかマシになるのは、意識的に投資をおこなう人々であれば、それなりに信用でき、返済能力もあるだろうという格付けが、なされるためです。
特に不動産投資の場合は、どんなに信用がない人でも、土地や建物を担保にして信用力をあげ、融資の金利をさげることができます。
「虎の威を借れる」ので、不動産投資をするときの借金は「良質な借金」とされ、昔から鉄板です。
しかしそうした意識的な投資の側面がない場合、一般人が借金をすると金利では搾取されてしまう点に、注意します。
全般的に金利手数料は、なるべくかけないようにしたい手数料であることに、変わりはありません。
その他、ゴールドカードやブラックカードのような、ランクの高いクレジットカードを持っていて、信用のある人であれば、それだけで金利手数料がさがることもあります。
金利については、ほりさげていけばお金の価値や、人間の信用力の話に帰結します。
お金は相対的資産なので、死蔵すると価値を失います。
よって投資では「お金を働かせる」という発想が、非常に大切となるのです。
こういった発想については、以下の投資コンテンツの記事でも書いています。
金利手数料の正当性を、より正確に理解したいなら、この「お金を働かせる」という発想の理解が、必要不可欠です。
お金を貸す側が、金利手数料(インカムゲイン)で収益を確実化しようとするのは、死蔵によってお金そのものの価値が摩耗することを、ふせぐためです。
また単純に、親しい人同士レベルのお金の貸し借りのときでも、利子をつけたほうがケジメとなり、人間関係のトラブルも回避できます。
有利子とすることで、借りる側は「はやめに返さなきゃ」と意識できますし、貸す側もそれによって、ある程度リラックスできます。
お金の貸し借りのときに金利手数料がつくのには、それなりにワケがあるということを、認識しておきましょう。
お金を借りるときは、こうしてお金を貸す側の立場になって考えることも、重要となります。
お金を貸す側は、もし無利子で貸すのであれば、貸したお金がしっかり返ってくるかを考えることももちろんですが、無利子とすることが、本当に貸す相手や自分のためになるのか、しっかり吟味する必要があります。
私自身の経験からも言えることですが、無利子の融資によって人間関係が破綻することは、往々にしてあるのです。
人間関係を重視するのであれば、お金を借りるときは親しい人から借りるのではなく、消費者金融などを利用するのが賢明です。
なお、2016年3月以降、日銀がマイナス金利を導入することで、さらに銀行の金利は減少。
普通預金の基準金利が、0.02%から0.001%までさがっています。
そして消費者金融の金利は、いぜんとして基本18%のままです。
これは言い換えると、日本人全体の格付けはさらにさがり、信用力がへっていることの現れです。
融資をうけたあとに支払う金利手数料と、その人の生産力は、密接な反比例関係にあることもまた、忘れてはならない点です。
今後もどんどん銀行金利が減少していき、銀行・政府・資本家と労働者の経済格差が拡大していくことが、予想されます。
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