お金を稼ぐ、という行為を本質的に誤解している人は、いつまでたってもお金を大きく稼ぐことはできません。
ここではお金を稼ぐということ、しいてはお金とはいったいなんなのか、その根本的な話について書いています。
まず現代社会では、人間が一人で生きていくことはできません。
畑を耕して食べ物を調達する。飲める水を確保する。
家を建てる。服を作る。
そうした行為がすべて自分でできるというのなら、もちろん一人で生きていくことはできますし、お金なんてものも当然、必要にはなりません。
しかし現実はそういうわけにはいきません。
水道や電気などのインフラをはじめとし、とてもではありませんが、そうしたものを自分一人の力だけで成立させることはできません。
また産業革命、IT革命などをへて、先進国を中心とする人間の生活水準は、昔と比べて格段にあがりました。
時代の成長とともに生まれてきた新しいサービスや商品を、私達現代人は言うまでもなく、欲しがります。
たとえ欲しがらなくても、まわりの人がそうした高水準の生活をしだす以上、新しい様式についてこれなければ孤立し、生きていくことも難しい世の中です。
たとえば医療の発展により私達の病気へのリスクは激減しましたし、平均寿命もはるかに伸びました。
文明が発達するごとに、私達はその発達した文明に依存せざるをえない生き方を、していくしかなくなるのです。
すると、どうしてもそうした高い生活水準を保つためには、人間の仕事というものが増えていきます。
結局は「私はこの仕事をやるから、じゃああなたはこれをやって」という「分業」のサイクルが生まれます。
そうしていろんな人々がそれぞれの専門分野の仕事に専念したほうが、生活維持・社会発展の効率がよくなるのです。
こうした分業社会で問題になってくるのは、私達はどのような対価を支払って相手のサービスをうけるか、です。
基本的には「価値の交換」が前提となっていきます。
お金のない時代は、物々交換が主流でした。
しかし物々交換だと、たとえば自転車が欲しい野菜屋さんは、野菜が欲しい自転車屋さんを探さなければ物々交換が成立せず、多大な労力がかかります。
また物々交換という、モノの価値が数字化されていない方法は、なにかと不便です。
この問題は、お金を発行することで解決できます。
すべてのモノやサービスはお金で買えるという暗黙のとりきめを作り、モノに数字という形で相対的な価値(値段)をつけることで、サービスの売買もスムーズになります。
ここで重要なのは、お金というのは物々交換の手間などを省略するための手段であり、本来その実体は野菜と自転車を交換するような物々交換であるということ、そして自分自身も他人にサービスをおこなえなければ、他人からサービスをうけることはできない、ということです。
お金を稼ぐということは、そのまま価値を集めるという行為になります。
しかしそれ以外にも、人々の信頼や感謝を集める、という行為でもあるのです。
たとえばお金に価値がなくなり、物々交換すら成立しない世界になったとします。
そのときどんな人がひきつづき他人からの支援をうけられるのかというと、それまで信頼されてきた人、感謝されてきた人といった、なにかしらのブランディングがある人々です。
これはもちろん友達や恋人、家族といった身近な人間関係も含みます。
当たり前のことですが、お金が価値をもたない世界で他人からサービスをうけるからには、そのぶんの対等のサービスを自分から他人におこなえなければ、不平等です。
お金で生活が成立している時代にはなかなか気づかないものですが、お金の価値を裏付けているのは、人々のこうした信頼や感謝といった気持ちの存在です。
資本主義は、信頼や感謝を伴った価値(お金やモノ、サービス)の交換が、サイクルすることで成立しているのです。
ですので通貨はもちろん、純金や不動産といった資産がなくても、信頼される・感謝される人間は、他人とそれまで通りの協力関係を継続しやすい。
そんなことが言えてきます。
逆に、他人の役にあまり立とうとしないような、自己満足だけで生きている人、他人に危害をくわえてばかりの人は、言うまでもなく見捨てられていきます。
しばしば人は、お金という単純化された数字を増やすことが人生の目的となり、冷めた発想で行動します。
「お金の価値は人々の信頼や感謝からなりたっている」ということを知らずに、お金の本質を見誤ると、万が一、国が通貨危機のような状況に陥ったとき、足元をすくわれます。
お金や株券、債券、純金、不動産、ありとあらゆる資産が、その価値の永続性を保証されているわけではありません。
お金も本質的にはモノである以上、売買行為もつきつめれば物々交換です。
お金も他のモノと同じように、円安・円高・インフレ・デフレなどによってその価値が変わっていきます。
お金をはじめとする各資産が、人にとっていったいどんな価値や意味合いを持っているのか。
起業したり資産運用したりするときには、改めて確認しておくべきことです。
山奥などで修験者のように一人で生きていけるという人なら、お金や資産のことで思いわずらう必要はありません。
しかし現代社会で生きている以上、私達は分業で支えあっているという意識を持たないといけません。
生きていくには他人の力が必要。
他人と協力しあうには、感謝や信頼が必要。
お金はそうした感謝や信頼の証。
お金を稼ぐということはサービスの提供やモノの生産など、他人に感謝・信頼されるような価値ある行為をするということ。
そして私達がお金を稼ぐのは、他人の力を借りるためです。
生きていくために他人の力を借りたければ、自分も他人の力になれるようなことをする。
そう考えれば、お金を稼ぐ理由というのも、だいぶ整理できてくるのではないでしょうか。
もちろん稼ごうとする以上は、その上で、しっかりとお金を稼げる仕組みを作ってやらないと、ただのボランティアになってしまいますので、マネタイズの技術も重要になってくることは言うまでもありません。
しかしそれ以前にお金を稼ぐ上で、本質的に一番重要なのは、やはり「誰かの役に立ちたい」と思う気持ちです。
この点を、勘違いしないようにしましょう。
マネタイズ(マネタライズ・マネタリング)の方法については、当サイトでもアフィリエイトなどの記事でとりあつかっています。
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