通常クレジットカードは、クレジットカード会社が発行します。
しかし中には、決済代行会社である国際ブランド独自が発行しているクレジットカードもあります。
これを、プロパーカードと言います。
基本このプロパーカードは、JCB・アメックス・ダイナースの3社のみしかありません。
それに対して、各クレジットカード会社が国際ブランドと提携してだしているカードを、提携カードとよびます。
基本的に、JCB・アメックス・ダイナースの基本カード以外は、すべて提携カードです。
ただし注意点として、ここ数年でプロパーカード・提携カードの意味は拡大。
狭義と広義の意味があります。
広義では、各クレジットカード会社が発行しているカードで、一番標準となっているカードのことも、プロパーカードと言ったりします。
それにともない、クレジットカード会社が別の会社と提携してだしているカードのことも、提携カードと言います。
|
狭義のプロパーカードでは、たとえばJCBカード・オリジナルシリーズが、完全にプロパーカードと言えます。
他、JCB EITなどもJCBが発行しているので狭義のプロパーカードとよべますが、JCBでプロパーカードと言えば、JCBカード・オリジナルシリーズをさすのが一般的です。
いっぽう、もし楽天カードをJCBで作った場合、その楽天カードはJCBに対する提携カードです。
また三井住友カードもVISAですが、発行元はVISAではなく三井住友カード株式会社であるため、VISAに対する提携カードとよべます。
アメックスについては、アメリカンエキスプレス・カードがアメックス発行のプロパーカード。
ANAアメリカンエキスプレス・カードは、アメックスと提携したANAカードであるため、提携カードです。
広義のプロパーカードとなると、意味合いが一変。
三井住友カードは、VISA自体がだしているカードではないため、狭義のプロパーカードとは言えませんが、三井住友カード株式会社の顔役となっているカードではありますので、広義のプロパーカードには該当。
ようするに、そのクレジットカード会社の顔役となっている代表クレジットカードを、プロパーカードとよぶわけです。
それに対してANAワイドゴールドカードは、三井住友カード株式会社が発行しているカードですが、ANAと提携したカードですので、プロパーカードとはよべず、完全に提携カードとなります。
|
しばしば広義のプロパーカードと狭義の提携カードがかさなるため、混乱します。
また広義の意味では、楽天カードは楽天カード株式会社に対するプロパーカードですが、慣用として、楽天カードをプロパーカードとよぶ人は少ないです。
いっぽう三井住友カードについては別格で、プロパーカードとよぶ人が多いですので、なんとも言い難いですね。
一般的には、以下の意味合いで使われている感じです。
プロパーカード・提携カードという言葉の使われ方は、つきつめるとだいぶややこしいですし、正直曖昧です。
なので「こんなものか」程度でおさえておけばOKです。
当ページでは狭義の意味寄りで、プロパーカードのことを解説しています。
プロパーカードは国際ブランド・クレジットカード会社のオリジナル製なだけあって、種類がかぎられています。
それに対して提携カードは、種類がたくさんあります。
もっぱらプロパーカードのほうが、提携カードよりもステータスが上で、年会費も高くなります。
また長い目で見たとき、インビテーションによる上位クレジットカードへの変更があり、プロパーカード保有者しかうけれない、さまざまな特典があります。
そうした側面から、プロパーカードの多くは贅沢品です。
旅行、レストラン、ホテルなどでの優待・特典が充実しています。
プロパーカードは提携カードと比べると歴史が長く、改悪リスクやサービス終了リスクは低くなり、安定しています。
よって使用するクレジットカードを末永く統一したい人にもオススメですし、クレジットヒストリーを強固なものにしたい人にもオススメです。
ここ数年は、ポイント還元などの面にかぎり、アメックス・ダイナース・JCBといったプロパーカードでも、まったく改悪がおきない、とは言い切れない状況です。
しかし提携カードにくらべたらはるかに安定していますし、サービス終了リスクについてはほぼゼロに近いです。
いっぽうポイント還元率や、日常生活における実利的サービスなど、節約性・堅実性でカードを選ぶ場合は、プロパーカードよりも提携カードがオススメとなります。
また提携カードは特定のサービスにおける特典が多く、特定の店やサービスをよく使う場合には、お得となります。
傾向として、プロパーカードの特典は全体的で、いろんなところで発生します。
かたや提携カードの特典は部分的で、一部のサービスでのみ特典が飛躍的につきます。
提携カードは年会費無料のものが多いですが、弱点として、改悪リスクやサービス終了リスクが高く、廃れやすい点があります。
漢方スタイルクラブカードのように還元率が改悪されたり、リクルートカードプラスのように発行停止になっているようでは安定性にかけ、ずっと使っていたいクレジットカードとは言えません。
よって改悪されたら別のカードに鞍替えするということが、提携カードを使う場合には重要です。
使用するクレジットカードを統一することにこだわりがないなら、プロパーカードと提携カードを使いわけるのがオススメです。
たとえば旅行用にはアメックスなどのプロパーカードを使い、日常用には楽天カードなどの提携カードを使う、ということができます。
<プロパーカードの特徴まとめ>
富裕層、旅行者むけの非日常系サービスが充実
海外旅行やレストラン、ホテルで優待がある
トータルコストは大きくなりがち
いろんな場所で特典がつく
改悪リスク、サービス終了リスクが低い
クレジットカードを統一したい場合にむく
クレジットヒストリーの強化にむく
ステータス、社会的信用の誇示
プラチナカード、ブラックカードへのインビテーションがある
<提携カードの特徴まとめ>
一般人、節約者むけの日常系サービスが充実
ポイント還元率が総じて高い
年会費などのトータルコストは少なくてすむ
独自の大きな特典がつく
改悪リスク、サービス終了リスクが高い
所有するクレジットカードの枚数が多くなりがち
たとえばアメックスのプロパーカードとその年会費は、以下の通りです。
<アメリカン・エキスプレスのプロパーカードと税別年会費>
アメリカンエキスプレス・カード(グリーン) → 12,000円
アメリカンエキスプレス・ゴールドカード → 29,000円
アメリカンエキスプレス・プラチナカード → 130,000円
アメリカンエキスプレス・センチュリオンカード → 350,000円(入会金500,000円)
これらは数あるアメックスカードの中でも、いわゆる本家のアメックスと言われるものです。
同一国際ブランドでのプロパーカードは、原則1枚持ち。
たとえばグリーンカードを持っている状態でゴールドカードを作る場合、グリーンカードを破棄する必要があります。
プラチナとセンチュリオンは、インビテーション制です。
アメックスのプロパーカードは、その高額な年会費のぶん、持っているだけでステータスとなります。
特にセンチュリオンカードは最強のクレジットカードと言われおり、この1枚であらゆることができます。
いっぽうでアメックスの提携カードの一例は、以下のとおり。
<アメリカン・エキスプレスの提携カード一例>
セゾン・アメリカンエキスプレス・カード(パール・ブルー・ゴールド・プラチナ)
MUFGカード・アメリカンエキスプレス・カード(ゴールド・プラチナ)
アメリカンエキスプレス・スカイトラベラー・カード(通常・プレミア)
ANAアメリカンエキスプレス・カード(通常・ゴールド・プレミアム)
JALアメリカンエキスプレス・カード
デルタスカイマイル・アメリカンエキスプレス・カード(通常・ゴールド)
ペルソナSTACIA・アメリカンエキスプレス・カード
スターウッドプリファードゲスト・アメリカンエキスプレス・カード
アメリカンエキスプレス・ゴールドカード(ザ・ペニンシュラ東京提携)
アメックスの場合は、提携カードでもセゾン・アメックスが特別扱いです。
アメックス・プロパー同様、カードにはローマ兵がプリントされていることもあり、しばしば比較されます。
<セゾン・アメックスの税別年会費>
パール → 1,000円(年1回のショッピング利用で次年度無料)
ブルー → 3,000円
ゴールド → 10,000円
プラチナ → 20,000円
このうち、プラチナはインビーション制。
セゾン・アメックスにブラックカードはありません。
なおプラチナ・ビジネスに関しては、通常申込制です。
プロパーと比較すると、だいぶ年会費が安いことがわかります。
特にパール会員については年1回のカード利用があれば、実質年会費無料となります。
サービス内容に関しても、プロパー同様、レストランやホテルの割引特典である「アメリカン・エキスプレス・セレクト」が使えますし、プロパーと比較し、旅行保険やポイント還元の点が優れています。
高級レストラン料金1人分の無料化や空港ラウンジの同伴者利用など、富裕層向けサービスに関してはプロパーが優れていますが、安い年会費で日常生活に使うぶんには、提携カードのほうが優れている、というのが鉄則です。
他、ダイナースクラブやJCBのプロパーについては、以下のとおり。
<ダイナースクラブのプロパーカードと税別年会費>
ダイナースクラブカード → 2万2000円
ダイナースクラブ・プレミアムカード → 13万円
<JCBのプロパーカードと税別年会費>
JCB一般カード → 1250円
JCBゴールド → 1万円
JCBゴールド・ザ・プレミア → 1万5000円
JCBザ・クラス → 5万円
インビテーション制のダイナースクラブ・プレミアムカードについては、ブラックカードながら屈指のポイント還元率2%(マイル)です。
高級サービスを求めながらも実利思考の方には、ダイナースのプロパーがオススメとなります。
JCBプロパーのブラックカードであるJCB THE CLASSに関しては、ディズニーランドの利用で、非常にメリットや特典があることで有名です。
ブラックカードにしては、年会費も税別5万円というお手頃さがあり、旅行保険やメンバーズ・セレクションにおいて、コスパが良いです。
初心者がプロパーカードでブラックカードを目指すなら、JCBが一番オススメです。
狭義のプロパーカードであるJCB・アメックス・ダイナースで通常申込できるカードは、以下の5枚。
JCB一般カード
JCBゴールド
アメックス・グリーン
アメックス・ゴールド
ダイナースクラブ・カード
年会費が一番安いのは、1250円のJCB一般カードです。
もし一般人でも長年安定したプロパーカードを持ちたいということであれば、JCB一般カードが一番オススメとなります。
アメックスやダイナースは、最低でも結果的に年会費が2万円以上となるため、初心者にはオススメできません。
また、JCB一般カードと同じくらいの安定性があるカードとしては、三井住友カード。
クラシックカードが年会費1250円で所有可能です。
JCB・アメックス・ダイナースにならび、よくプロパーカードとよばれるだけあって、安定性やステータスを重視するなら、三井住友カードもそう悪いものではありません。
JCB・アメックス・ダイナースは決済に使える店が少なくなりがちですが、三井住友カードは使用範囲の広いVISAですし、海外でも十分に買い物で使える点が大きいです。
また楽天カードも国際ブランドの提携カードですが、年会費無料でありながら発行数が非常に多く、プロパーカード並の安定性を持っています。
VISA・Masterから作成できる点もメリットです。
よって、プロパーカード(長期安定性)を意識したときに、一般人にオススメできるクレジットカードは、以下の3枚です。
JCB一般カード(年会費税別1250円)
三井住友クラシックカード(年会費税別1250円)
楽天カード(年会費無料)
なお参考までに、VISAとMasterCardには、国際ブランドのプロパーカードはありません。
VISAでプロパーカードのような安定性を追求する場合には、やはり三井住友カードや楽天カードを選択するのが妥当です。
VISAは三井住友カードを、JCBはオリジナルシリーズのプロパーカードを持っておけば、とりあえずは安泰、というのが、日本人のクレジットカード選びの定石でもあります。
ポイント還元重視の提携カードだと、サービス終了リスクが高く、他のクレジットカード会社に吸収されることも多いです。
いっぽう三井住友カードやJCBカードは、昔から存在しているクレジットカードですので、安定性があります。
いちいちクレジットカードを変える手間が面倒くさい、ということであれば、一般人であってもこうしたプロパーカードを持っておくのは、理にかなっています。
逆に、サービス終了リスクがあるかわりに、還元率や節約を重視するなら、年会費無料のレックスカードライトやリクルートカードという選択も、アリとなります。
■ 次ページ ビューカードとは?
<関連ページ>
<ほったらかしで月収100万円を継続的に稼ぐ方法>